墓石にはどんな種類がある?石材の種類から選ぶポイントまで解説

2021年2月26日

霊園や墓地を訪れたときに、変わった形のお墓を目にしたことはありますか。お墓のイメージというと、縦長のものを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、最近では、個性を感じさせるお墓が増えてきています。
お墓を建てる予定のある方のなかには、故人のことを想い個性のあるお墓を建てたい方もいるかもしれません。ただ、墓石のデザインや、使用する石材の種類などの疑問も出てくるでしょう。
そこで、この記事では、墓石の種類のうち代表的な和型墓石、洋型墓石、デザイン墓石について解説します。また、使用する石材の種類や、墓石を選ぶうえでのポイントについても合わせて解説していきます。




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和型墓石


和型墓石とは、縦長の竿石を中心に置いたお墓のことです。和型墓石は、江戸時代頃から一般的なお墓として使用され、日本人にとってなじみのあるお墓です。

和型墓石のタイプ

和型墓石には、石塔タイプ、五輪塔タイプ、宝篋印塔タイプの3つの種類があります。

・石塔タイプ
和型墓石の一般的なお墓として特に寺院墓地で多く見られ、献花を供える花立や、線香立てが手前に設置されていることが特徴です。

・五輪塔タイプ
石塔タイプと比べて竿石が短いお墓のことです。ただし、竿石が短い代わりに、5つある自然界の要素のシンボルを設置されています。五輪塔は空海が発案したといわれており、真言宗で用いられるタイプで、浄土真宗では建てることがないそうです。

・宝篋印塔タイプ
100年以上前の先祖の供養として建てられた仏塔のことです。宝篋印塔の由来は、10世紀ごろに当時の中国の王が建立した塔に、息災・安穏長寿のための呪文「宝篋印陀羅尼」を収めたからだといわれています。

和型墓石は、大まかに分けると「芝台」「中台」「上台」「竿石」の4つで構成されています。

・芝台
芝台とは、お墓の一番下の部分で土台となる場所です。芝台は、お墓の見栄えをよく見せるために使われることが多く、希望によっては設置しなくても構いません。

・中台
中台とは、別名で台石と呼ばれ、家紋などを彫ることが多い部分です。和型墓石は、上から「天・人・地」という名称で呼ばれています。中台は地に該当する部分で、財産維持の意味合いがあります。

・上台
上台とは、和型墓石のメインとなる竿石を支える部分です。中台同様に、家紋を彫ることが多い部分でもあります。上台は、上記で説明した「人」に該当し、人望や出世の意味があります。

・竿石
竿石とは、家名や南無阿弥陀仏が彫刻される、和型墓石のメインとなる部分です。竿石は、天に該当する部分で、家庭円満の意味があります。

和型墓石によく使われる石材

和型墓石でよく使われる石材は、大島石や紀山石など、白い石材が多いようです。以下では、それぞれの石についてご紹介します。

・大島石
大島石は、愛媛県の大島で採れる石です。墓石材として使用したときは、圧倒的な風格と気品を放つ仕上がりが特徴です。非常に丈夫で、墓石を長持ちさせたいのであれば最適な石材といえるでしょう。

・紀山石
紀山石は、福島県の上三坂地区で採れる石です。細目の粒子が均一で美しく、長年の風化にも耐えうる石質が特徴になります。深みのある色合いで、とても人気な石材の1つです。



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洋型墓石


洋型墓石とは、最近増えている公園墓地や芝生墓地でみられる、横長のお墓です。

洋型墓石のタイプ

洋型墓石の特徴は、彫る文字や墓石の形に決まりがないことです。一般的に多く存在する和型墓石ではなく、特徴的なお墓を建てたい方におすすめです。洋型墓石の種類は、洋型二段型、洋型三段型があります。

・洋型二段型
洋型二段型は、芝台の上に直接竿石が重なり、二段になっています。

・洋型三弾型
洋型二段型に上台という石を挟み三段にした形式です。上台の加工には大きく分けて2つあります。
1つは垂直加工というものです。上台を斜面になるよう加工し、水を流れやすくしたものです。水はけが良くなることで、汚れやシミを防ぐことができます。
2つ目は亀腹加工です。上台を亀のお腹のように湾曲した曲線で加工したものになります。墓石の角を丸く加工することで墓石の角の割れ防止につながります。

洋型墓石によく使われる石材

洋型墓石によく使われる石材は、中国産の「G603」やインド産の「アーバングレー」などがあります。

・G603
G603は、中国の福建省でとれる白御影石です。御影石の中では、世界で一番安価とされ、墓石にかける予算を抑えたい方にはおすすめの石材です。ただし、水を吸水しやすく錆びや変色しやすいのが難点になります。

・アーバングレー
アーバングレーは、インドのムドゥガル地方でとれる石です。日本では、20年以上前から使用されている人気の高い石材で、緑がかったグレーの色合いが美しく、ガラスのような透明感があります。また、石材の成分の中には、ガラスの原料となる石英が含まれていて、水の吸水率が低く劣化しにくいです。
ただし、文字の彫刻が見えづらいので、ペンキなどを塗装する必要があります。



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デザイン墓石


デザイン墓石とは、和型でも洋型でもない、石材店ごとでオリジナルな工夫が施されたお墓です。また、要望に合わせて石材店が忠実に再現するお墓でもあります。

デザイン墓石の特徴は、故人の個性や家族の想いを墓石に表現して、形や彫刻にオリジナリティを加えることです。デザイン墓石では、故人に対する感謝の気持ちをつづった文字を彫刻したり、花などのイラストを彫刻したりする、独創性の高いお墓が多い傾向にあります。

デザイン墓石のタイプ

デザイン墓石の依頼は、フルオーダーかセミオーダーに限られています。

・フルオーダー
一からお墓のデザインを考えて作り上げることです。

・セミオーダー
石材店で開発したデザインから選んで作り上げる方法になります。一般的には、セミオーダーで依頼する方が多いようです。

デザイン墓石の注意点として、石材店によってデザイン墓石に対応していないお店もあることが挙げられます。また、デザイン墓石は故人のためだけのお墓でもあるので、今後家族が同じお墓に入る可能性を考えると、事前に話し合いを行い理解してもらう必要があるでしょう。

デザイン墓石でよく使われている石材

デザイン墓石でよく使われている石材については、特に決まっていません。デザイン墓石は、予算やお墓のイメージなどを踏まえて、最適な石材を石材店の方と相談して決めていきましょう。



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御影石の種類


御影石とは、お墓で使われる代表的な石材です。御影石の由来は、兵庫県の御影町にある「澤之井」という泉の水面に、古代に君臨した伝説の女王と呼ばれる「神功皇后」の御姿が映しだしたことが起源とされています。以下では、御影石の種類についてご紹介します。

・花崗岩
花崗岩とは、瀬戸内海沿岸をはじめ、茨城県や福島県、愛知県で多くとれる石です。地下のマグマが地下の深部で冷却固結してできる石で、耐久性に優れ、美しいのが特徴です。ただし、鉄分を含んでいるため、錆が発生しやすいデメリットがあります。

・閃緑岩
閃緑岩とは、マグマが地下深部でゆっくりと冷え固まってできたものです。閃緑岩の構成鉱物は、無色鉱物の「斜長石」や有色鉱物の「黒雲母」などが含まれています。風化に強く、光沢が出やすい特徴を持っていますが、日本での採掘量は非常に少なく、中国から輸入されているものが大半を占めています。

・斑レイ岩
斑レイ岩とは、地層深くのマグマが時間をかけて冷えて固まったものです。斑レイ岩の構成鉱物は、灰長石と呼ばれる白い鉱物と、輝石類と呼ばれる黒色の鉱物からできています。宝石の原材料となる有色鉱物を多く含んでいるため、磨き上げると光沢が増し、深みのある黒色が特徴です。
また、鉄やマグネシウムといった、酸化しやすい成分がほとんど含まれていないため、長年雨風にさらされても変色や劣化しにくい特性を持ち合わせています。

その他の石材

上記で説明した石材以外でも、墓石に使われるものはあります。以下では、上記以外で墓石として使われている石材の種類について、ご紹介します。

・大理石
大理石とは、石灰岩にマグマの熱や圧力が加わり、変成されたものです。大理石の特徴としては、綺麗な光沢と、3色からなる独特な縞模様があることです。墓石に大理石を使うイメージがあまり湧かないかもしれませんが、大理石は、墓石の石材として使用することが可能です。大理石には、硬度が低いので、彫刻や加工がしやすいメリットがあります。一方で、水に弱く、雨に濡れて放置しておくと、光沢が落ち、水垢が発生してしまうところがデメリットです。

・大谷石
大谷石とは、栃木県の大谷町でとれる石です。以前は採掘量も豊富にありましたが、近年では大変貴重な石になっています。昔は、墓石に大谷石を使うことがありましたが、硬度が柔らかく墓石に向かないことから、今では用意している石材店も少なくなっています。

・安山岩
安山岩とは、地表に噴き出たマグマが、短時間で冷え固まってできた石です。安山岩は、花崗岩に次いで墓石によく使われる石材で、灰色に所々白や黒の斑点模様の色合いがあります。硬度が硬く、雨風や外気に強いので風化しにくいことが特徴です。

安山岩の中には、石材の中でも最高級品と呼ばれる本小松石があります。本小松石は、神奈川県の真鶴町にある「小松山」で採れたといわれている石です。国内で採れた安山岩の中でも、耐火性、耐久性、堅硬性において花崗岩を凌ぐといわれています。歴代の天皇や、有名人のお墓によく使われているようです。



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墓石を選ぶ前に知っておくべきこと


墓石には、種類によって安価なものから高価なものまで、数多く存在します。以下では、墓石を選ぶ前に知っておくべきことについてご紹介します。

墓石のチェックポイント

墓石を選ぶときは、石の硬度、吸水率、キメの細やかさ、色の4つのポイントを考える必要があります。以下では、それぞれのポイントについて詳しくご紹介します。

・硬さ
石材の硬度が高いほど、劣化しにくいといわれています。そのため、硬度の高い石材は、とても人気になっています。ただし、加工が難しく、手間がかかるため、加工費用が高くなることを頭に入れておきましょう。

・吸水率
水の吸水率は、墓石の耐久性に重要なポイントです。吸水率が高いと、石材が変色したり苔が生えたりします。また、吸い込んだ水分が墓石内部で凍ると、内部破壊が生じ亀裂が入る要因となってしまいます。そのため、墓石を選ぶときは、吸水率の低いものを選びましょう。吸水率の低い基準は、0.2%以下の石材になります。

・キメ
キメの細やかさは、墓石の美しさを表現する部分です。目がきれいに詰まっている墓石は、美しさだけに限らず、美しさを保ち続ける強さも兼ね備えています。キメの細やかさを判断するには、実際に石材店で、石材を見るしかありません。
・色
墓石の色は、お墓の印象を左右する部分です。色が違うことで、お墓の見栄えも全く異なります。墓石に使われる色は、一般的に灰色や黒色、白色の石材が多い傾向にあります。しかし最近では、洋型墓石やデザイン墓石が増えてきた影響から、赤色や青色、緑色といった色彩に富んだ色も人気なようです。

国産石と外国産石の違い

国産石は、採掘量が少なく希少なため、基本的に価格が高額です。とはいえ日本の土で育っているため、日本の気候に適用しやすく、どの石材であっても数百年に渡り、使い続けられる安定した品質があります。

外国産石は比較的安価で、日本に流通している低価格帯の墓石は、ほとんど外国産石になります。特に、中国とインドからの輸入が多く、様々な色のラインナップを誇り評価を得ているようです。ただし、材質の良し悪しの幅が広いので、選ぶときは慎重に決めましょう。

使う量で値段がきまる

墓石は、石材の種類に限らず、使用する量によっても費用が変わります。量が少ないと費用を最低限まで抑えることができますが、逆に多く石材を使ってしまうと費用がかさんでしまいます。また、花立や線香立てなどを複雑に加工することで、費用に差が生まれることも覚えておきましょう。



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墓石を選ぶポイント


墓石を選ぶうえで重要なのは、墓石費用、石材の耐久性、立地場所の環境、お墓のイメージの4つのポイントです。以下では、それぞれ重要なポイントについて詳しくご紹介します。

費用

墓石費用は、石材の種類や、使用する大きさによって違います。墓石費用の相場は、150万円~350万円程度です。ただし、石材店の中には、相場以上の費用を請求する悪質なお店も存在するので、複数のお店を比較検討して慎重に決めることが良いでしょう。

耐久性

墓石選びでは、まず石材の耐久性を考えるべきでしょう。墓石は、常に外気にさらされているため、年月を重なるごとに劣化していきます。なるべく劣化を遅らせるためには、耐久性の高い石材を選びましょう。

お墓を建てる場所の気候

墓石は、立地場所の気候によって耐久性や見た目に影響が生じます。特に天然石で作られた墓石は、影響を強く受け墓石の劣化や石材が割れてしまう可能性があるでしょう。

吸水率の高い墓石だと、湿度が高い場所は水分が墓石内部に吸い込まれ、劣化を早める原因となります。耐冷性が弱い石材だと、寒冷地の場所では石が割れてしまいます。少しでも墓石を長持ちさせたい場合は、石の性質を考えて選ぶようにしましょう。

お墓のイメージに合っているか

お墓の見た目は、墓石の大きさや、形、色などによって様変わりします。墓石を選ぶうえでは、まずお墓全体のイメージを明確にしておくことが大事になります。また、1人で墓石を選ぶのはトラブルになりかねません。事前に、家族や親族と話し合いで、お墓のイメージを共有してから選ぶようにしましょう。



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まとめ


今回の記事では、墓石の種類と、石材を選ぶうえでのポイントなどについてご紹介しました。従来は、縦長の和型墓石が大半を占めていましたが、近年では、デザイン性に富んだ様々な形のお墓が増えてきています。また、使用する石材の色も、黒やしろ、灰色といった一般的な色に限らず、赤や青など色の石材を選ぶ方が増えているようです。ただし、石材を選ぶうえでは、石材の耐久性や吸水率をしっかりと考えて、少しでも長持ちする理想のお墓にしましょう。

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「心のかようお墓づくり」

和泉家石材店のスタッフはお墓を建てる時、そして そこから始まるおつきあいを気持ちよく、末永くさせていただきたいという気持ちから“心のかようお墓づくり”をテーマに心のこもったサービスの提供とお客様のニーズへの対応に全力で取り組んでいます。お墓を建てる時はもちろんのこと、法事の際などにも独自のサービスを提供しております。

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