お墓に木を植えても大丈夫?植木の選び方や手入れ方法も解説!
2021年1月27日
お墓を新しく建てる際に木を植えることで、見栄えを良くしたいと考えている方もいるでしょう。ただ、お墓に木を植えることに問題はないのでしょうか。
この記事では、お墓に木を植える際に出てくるであろう疑問点について、また、植木の選び方や植えた際のメリット・デメリットについて解説していきます。
お墓に木を植えても大丈夫?
お墓に木を植えることは基本的に問題にはなりません。しかし、近年ではお墓の土地が制限された影響で、植えられる木が限定されていたり、禁止されていたりする霊園や墓地もあるようです。そのため、事前に木を植えるメリットとデメリットを把握する必要があります。
お墓に木を植えるメリット
お墓に木を植えることで、大きく2つのメリットが得られます。
・景観がよくなる
霊園やお墓には、基本的に同じ形のお墓が並び、どこか殺風景な印象を持つという方もいるでしょう。木を飾ることでお墓の景観がよくなり、お墓参りに来た方の心を癒すことに繋がります。また、区画が広いお墓の場合は墓石周りの空きスペースを有効活用する手段としても効果的です。
・故人を楽しませる
お墓に植えた木は、お墓の景観を良くするだけでなく、故人を楽しませることもできます。故人が生前に好んでいた木を植えることで、故人もきっと喜んでくれるはずです。また、植えた木が見頃の季節になれば故人を思い出してお墓参りに訪れるきっかけにもなります。
お墓に木を植えるデメリット
お墓に木を植えることは、メリットがある一方で、デメリットも存在します。
・縁起が良くないとされることもある
お墓に木を植えるのは、墓相学という学問では縁起が悪いとされています。墓相学は、中国が発祥の学問でお墓の建てる方位によって、故人や遺族の運命を見る学問です。日本には、風水学として中国から伝えられました。風水学は、人の住まいを占う「陽宅風水」と先祖の住まいを占う「陰宅風水」の2種類に分かれており、陰宅風水が現在の墓相学です。
縁起が悪いと言われているのは、お墓に植えた木が成長することで運気を吸い取り、お墓を衰えさせたり、成長した根っこが故人を苦しめたりするという説があるためです。しかし、あくまで説に過ぎないため、気にしない方も多くいます。
・手入れの大変さ
お墓に植えた木は、成長し徐々に大きくなっていくので定期的な手入れが必要です。お墓がある場所が近ければ定期的に通えますが、遠方や地方のお墓である場合は通う際に時間や手間がかかります。
・隣のお墓への迷惑となることも。
木は成長しすぎてしまうと、枝や根が近隣のお墓に被害を及ぼす可能性があります。枝が隣のお墓にまで伸びてしまうと、落ち葉の季節にお墓を汚してしまう原因になります。また、地中に張り巡らされた根っこは、重量のある墓石をも動かしてしまう力を持っているため、根っこによって周囲の墓石が動き、傾いてしまうこともあります。
お墓の植木の選び方
ここからは、実際に植木を行う際にお墓に適した木や、植えるのにおすすめな具体的な木と花について解説していきます。
お墓に適した木の特徴
まずはお墓に適した木の特徴をご紹介します。
・低木で根や枝が広がらない
低木の場合は、脚立に乗る機会も少なく安全で簡単に手入れができます。さらに、木全体に手入れが行き届くことで、木の大きさやバランスを整えやすくなります。また、枝の剪定で根の生育を抑えることもできます。
・虫がつかない
植木に虫がついてしまうと、葉を食べてしまったり養分を吸い取り枯らしてしまったりする影響があります。絶対に虫が寄りつかないということは不可能ですが、最小限に抑えることは十分可能です。
虫を寄せ付けないためには、まず草木灰を撒くという方法が考えられます。草木灰は草や木を燃やしてできた灰のことで、肥料として使われます。草木灰の臭いは、虫が嫌うのでよりつかなくなると同時に、土をアルカリ性に変えます。土がアルカリ性になると、微生物の活動を促進させ、病原菌を寄せ付けない効果も発揮します。
また、虫が木に卵を産み付けないように薬剤を塗り予防するという方法もあります。冬眠や卵の時期である1月~2月に薬剤を使って駆除しておくと、春の訪れとともに虫が生まれるのを防ぐことができます。
お墓の植木におすすめの木
ここでは、お墓に植えるのにおすすめの木を具体的にご紹介していきます。
・ナンテン
ナンテンは、よく神社の境内で見かける「ナギ」と同じナギ科の植物です。ナンテンの花は、6月~7月頃に白い花を咲かせ、10月の紅葉の時期になると赤色に変化します。冬になると、真っ赤な実を実らせます。ナンテンは、江戸時代に魔除けや火災除けに効果があるといわれていました。木の高さは、平均1m~3m程度ですが稀に6mほどに成長するものもあります。
・モクセイ
モクセイは、別名ギンモクセイとも呼ばれるモクセイ科の植物です。モクセイの仲間で「キンモクセイ」がありますが、モクセイはキンモクセイの変種です。モクセイは、枝の先端にほのかに甘い香りが漂う小さな白い花を年に何回か咲かせ、見頃は9月~10月頃です。高さは平均3m~5m程度です。
・カイズカイブキ
カイズカイブキは、ヒノキ科の植物で同じヒノキ科の植物「ビャクシン」が、紫外線や外部の影響によって枝や茎が異なる枝変わりした品種で、大気汚染や乾燥にも強い丈夫さが特徴です。高さは、平均6m~7mです。
お墓の植木におすすめの花
お墓に植える花木ではツツジやアジサイ、コデマリといった種類がおすすめです。それぞれの特徴にについて詳しくご紹介します。
・ツツジ
ツツジとは、とても鮮やかなピンク色の花を咲かせるツツジ科の植物です。ツツジはアジアに広く分布しており、特にネパールでは国を象徴する花とされています。花は、4月中旬ごろから咲き始め、GW前後あたりに見頃を迎えます。高さはツツジの種類によってまちまちですが、平均50cm~3m程度です。
・アジサイ
アジサイは、梅雨の代表的なアジサイ科の植物です。アジサイの花は、花びらではなく「がく」と呼ばれる葉が変形したものが花びらのように見えています。がくは、5月頃に咲き始め6月~7月頃に見頃になります。アジサイの高さは、平均1m~2m程度です。
・コデマリ
コデマリは、別名スズカケと呼ばれるバラ科の植物です。コデマリは、枝の先に葉が見えなくなるほど多数の白い花を咲かせ、春を代表する植物とされています。原産は中国の南部で、日本では江戸時代頃より栽培され始めたといわれています。見頃は4月~5月頃で、高さは平均1m~1.5mほどです。
植木の手入れ
お墓に植える木は、周囲の植物を枯らしたり、お墓の迷惑になったりする可能性があるので、どんなものであっても必ず手入れする必要があります。ここでは、手入れを行う意味や手入れの頻度、剪定の方法や伐採する際に必要な道具や方法について解説しています。
植木の手入れを行う意味
木の手入れには、お墓への迷惑を避ける以外に木自体の健康を保つことと、形を整える目的があります。
木の健康を保つには、伸びすぎている枝を剪定する必要があります。切り落とすべき枝を「忌み枝」と呼び、そのまま放置しておくと木の成長を妨げる要因になります。
また、成長しすぎて手入れが行き届かない場合や、風通しが悪く虫やカビが発生して枯れてしまった場合は木を伐採しなくてはならない場合もあります。枯れた木をそのままにしておくのは、お墓に眠る故人に対しても失礼にあたるので必ず伐採しましょう。
さらに、木は地表に現れている部分以外だけではありません。他のお墓に迷惑をかけないためにも、伐採と同時に伐根も検討しておくと良いでしょう。
手入れの頻度
手入れは最低年に1回程度、できれば夏と冬の2回で手入れをするのが理想的です。
夏は、虫が多くなる季節であるため、手入れを行って風通しをよくしておきましょう。また、地域によっては台風対策としてバランスの悪い枝を切り取って被害を最小限に抑える必要もあります。冬は植物が冬眠し春を迎える準備のため樹形を整えましょう。特に落葉樹や一部の針葉樹に関しては冬に手入れをするのが基本です。
剪定の道具
伐採は大掛かりな道具が必要になるため、業者に依頼するのが懸命ですが、剪定はご自身でも行うことが可能です。剪定に必要な道具として、剪定ばさみ、植木ばさみ、ノコギリ、脚立などが挙げられます。
・剪定ばさみ
直径1.5cm程の枝を剪定する際に使用するもので、剪定には必ず必要になる道具です。
・植木ばさみ
剪定ばさみで切り取るものより細い枝を切る道具です。主に手入れの仕上げに使用されます。
・ノコギリ
剪定ばさみでは切れない枝を切る際に使用する道具です。
・脚立
手に届かない場所の剪定に使用します。脚立を使用する際は、全ての脚が地面に接着しているか確認しておきましょう。接着していないと、バランスが不十分で怪我をする恐れがあるので非常に危険です。
剪定の方法
剪定方法には主に切り戻し、枝透かし、切り詰め、刈り込みの4つの手段があります。
・切り戻し
切り戻しは、枝の半分から3分の1程度を剪定し樹幹を保つ方法です。枝を多く切りすぎてしまうと切り落とした部分から細かい枝が生えて樹形が乱れてしまうので、剪定する際は注意しましょう。
・枝透かし
枝透かしは、枝が入り組んで風通しが悪くなった場所を剪定し、適度に透かしを作ることを指します。虫が付くのを最小限に抑え、樹形を整える効果があります。
・切り詰め
切り詰めは、伸びすぎた枝の先を剪定し、葉が生い茂る樹冠の大きさを整えための手段です。理想の剪定は、芽から3mm程度の場所を斜めに切り取ります。芽から先を長く残しすぎてしまうと木が枯れてしまう原因になるため、注意が必要です。
・刈り込み
刈り込みは、枝葉の表面を整える、トピアリーの作成に使われる手段です。トピアリーとは、常緑樹や低木を刈り込んで作る自然の造形物のことです。刈り込みの剪定は、木の健康を保つ目的には適しておらず、品種によってはダメージを負う木もあるので事前に確認しておきましょう。
大きすぎる木は業者に依頼する
木が成長しすぎてしまったり、お墓の所有者が高齢になってしまったりすると、木の手入れが隅々まで行き届かなくなってしまいます。
これらの問題を解決するには、剪定業者に手入れを依頼する必要があります。剪定業者は、木の剪定だけでなく枝の処分や簡単な掃除まで請け負ってくれます。依頼は、ホームセンターや造園業者に行うことが可能です。作業内容や料金を比較して適した業者に依頼しましょう。
自分の区画外の植木はどうする?
当然ながら、隣のお墓の木が区画内に侵入してきてしまった場合でも、自身の判断で勝手に剪定したり、伐採したりしてはいけません。勝手に切ってしまうと、後でトラブルに発展することにもなりかねません。知り合いであればお墓の所有者に直接相談するのも良いですが、霊園や墓地の管理者に相談して的越に対応してもらうことをおすすめします。
また、霊園や墓地に植えられている木が通路の妨げになっている場合も、同様に管理者に相談して対応してもらうと良いでしょう。
まとめ
この記事では、お墓に木を植える際に出てくる疑問について解説しました。お墓に木を植えることは問題ありませんが、近年の区画の制限に伴い周りのお墓に迷惑をかける可能性があるので定期的に手入れが必要になります。自身で手入れができない場合は、剪定業者に依頼して対応しましょう。
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