東京の霊園・お墓事情
2017年7月26日
1300万人を超える人口が集中する東京都。そのうち930万人が23区内に居住しています。
都心に行くほど地価は高騰し、郊外に行くほどある程度地価も安くなっていくのは、誰もが想像できることです。
霊園も同じです。都心ほど狭く高く、郊外に行くほど広く安いというのが、一般的な傾向です。
都心の霊園と郊外の霊園
ひとことに「東京」と言っても、都心と郊外では霊園事情もさまざまです。その特徴は次のようになります。
都心の霊園
●寺院墓地や小さな墓地が多い
●アクセスがよい
●墓地面積が狭い
●墓地価格が高い
郊外の霊園
●造成された大型の墓地が多い
●都心から1時間以上かかる(車がある方がよい)
●墓地面積が比較的広い
●墓地価格が比較的安い
寺院墓地はお寺との付き合いが始まる可能性がある
寺院墓地とはお寺の境内地の墓地のことです。
都心に寺院墓地が多い、のではなく、都心でお墓を持とうとすると寺院墓地を入手するしかない、という解釈の方が正しいでしょう。それほどに都心の墓地不足は深刻なのです。
境内地に墓地を持つことは、基本そのお寺の檀家になることを意味します。年に数回の行事や法要への参列、寺院の修繕の際の寄付など、お寺との付き合いが生じることもあるでしょう。
中には宗派を問わずに、純粋に墓地経営だけをされている寺院墓地もありますので、必ず事前に確認しておきましょう。
また、石材店を指定している寺院も多いので、複数社との比較検討ができないこともあります。
郊外型墓地は寺院と企業が手を組んで経営
郊外型墓地は大規模に造成されているものがたくさんあります。都心からは距離はありますが、墓地内は広々としており、車を所有していれば、ゆっくりとお墓参りできる環境だと言えるでしょう。
墓地経営は原則的に、地方公共団体、宗教法人、公益法人しか行うことができません。これは墓地が公共性や永続性を求められるものだからです。利潤を生みだすことを目的とする会社法人(一般企業)は墓地経営は認められていません(倒産されては困るわけです)。
とはいえ、現実には指定の石材業者が決まっていたり、石材業者がさも自社の墓地として売り出していたりしています。つまり、寺院と企業が手を組んで、墓地を経営しているのです。
そのため、墓地取得の際にはあわせて墓石も建立することを勧められるのがほとんどですし、セット販売だと、施工の石材店も決まっているために、他者との相見積もりはほぼできないでしょう。
都心と郊外 価格はこんなにも違う!
墓地は、狭ければ安いですし、広ければ高いのですが、もちろんそこには「地価」という問題が加わります。
地価は「平米単価」で割り出すことができます。1㎡あたりでいくらするのかということです。
たとえば、平成28年度都営青山霊園は下記の金額で利用者を募集しました。
募集面積:1.6m²~4.00m²
使用料:4,376,000円~10,940,000円
使用料と墓地面積で割ると、1㎡あたり、2,735,000円。
一方、同じ都内でも、平成28年度都営八王子霊園は下記の金額で利用者を募集しました。
募集面積:4.0㎡
使用料:1,156,000円
使用料を墓地面積で割ると、1㎡あたり、289,000円。
同じ「東京」とは言っても、墓地の単価に10倍もの開きがあるのです。
永代供養を利用される方
お墓を建てるには、墓地の購入と墓石の建立が必要となります。墓守ができない、そこまで費用をかけられないという方は「永代供養」を利用されています。
永代供養は、寺院や霊園に最終的には供養を委ねる制度です。固有のお墓を持たなくてもいいので、費用も安く抑えることができます。
本堂内での供養や、野外の石塔での供養など、スタイルはさまざまです。