お墓のリフォームについて
2017年5月1日
お墓のリフォームという言葉を聞いたことはありませんか?
お墓も住宅同様に古くなってくると痛みが出てきたり、地震や地盤沈下で地形が変動して、石が傾いたりしてきます。
住宅ならリフォームや建て替えは一般的ですが、先祖代々大事にしてきたお墓をリフォームしたり建て替えたりしてもいいのであろうか?と考えてしまうものです。
逆に、傷んだままの墓石をそのままにしておくことの方が、ご先祖様に申し訳ないという考え方から、お墓のリフォームは古くから行われているのです。
以降では「お墓のリフォーム」に触れていきたいと思います。
墓石のクリーニング
墓石は天然石ですので永年の風雨にさらされて表面の風化が進行していきます。水垢や水苔による汚れも目立つようになります。特に近年の環境変化により酸性雨が石の表面の痛みを助長しています。
簡単なリフォームでは、石の表面を研磨剤で磨き石本来の色をよみがえらせます。次に水の浸透を阻止して石の風化を防ぐために、石表面にコーティング剤を処して水の弾きを復活させる作業をして完了となります。
費用面では、墓石のみのクリーニングなら数万円程度ですが、上台・中台・下台等を含めた全体的なクリーニングを実施する場合は数十万円近くかかることもあります。
汚れが酷い・墓誌の掘り直しが必要な場合は、一度墓石業者の工場に持ち込んでの作業になりますので、期間も費用もそれなりにかかってきます。
傾いた墓地の修正や耐震補強もできます
長い年月の間には、規模に関係なく度重なる地震や墓地の地盤沈下により、石が傾いてしまうことも多いです。特に山の斜面に立地されている霊園では、大雨や洪水による地滑りや土砂崩れによる地盤変化のため、圧力がかかりやすくなり、気づかない間に石の傾きが進行しているケースも多くみられます。
この様な場合には、一度石碑自体を解体して再度地盤の補強を充分に行い、元の石碑を組み直す作業が行われます。その際には石碑のレイアウトを変更したりして、地盤に対する負荷を分散させることもあります。
また配置変更の都合上、墓石を加工したり新しいものに入れ替えたりしなければならないこともあり、費用は数十万円から百万円近くかかることもあります。
耐震補強をする場合も同様に、石碑を一度解体し 石と石とをステンレス等の金属金具でつなぎ合わせたり、ゴムを挟んだりして墓石が倒れないように負荷を逃す施工をします。
この場合の費用は、十万円から数十万円かかります。
墓地そのものを移築する
同一の霊園内で広い区画に移築する場合には、現在の石碑自体を解体し 移築先で組み直す方法があります。この場合、移築先に新しく石碑を作った方が費用面で安くなるケースもありますので、事前によく確認した方がいいでしょう。
墓地をリフォームするときは、まず霊園指定の石材業者の相談しよう
霊園には必ずといってよいほど指定の石材業者がいます。墓地を購入するときもそうですが、まずは指定の業者に相談しましょう。指定の業者であれば、お寺との連絡調整もしてもらえ 面倒な段取りや連絡を自分がする必要もありません。
指定の業者というと費用面が高いのではとのイメージもありますが、「作業中に隣の墓石を傷つけてしまった」というようなトラブル発生時にも責任をもって対応してくれます。
寺院との付き合いやトラブル発生時のことを考慮すると、指定業者に依頼するのが一番安全・安心です。稀に悪徳な業者もいますので作業を依頼する場合は注意をしましょう。