お墓がいらないと思える理由とは?お墓の必要性も改めて確認!
2020年11月28日
今後の余生や、自分の死後について考えた時、お墓について考えることは避けて通れません。
中には、お墓というものについて、あまりイメージが湧かず、いらないと考えている方もいるかもしれません。しかし、後々後悔しないためにも、今一度、「あなたや家族にとってお墓が必要なのか」を考えてみることは大変重要です。
この記事では、「お墓がいらない」と考える人がいる理由や、お墓の本来の必要性や歴史、お墓を建てる以外の選択肢についてご紹介します。
お墓をいらないと思える理由
核家族化が進む現代社会では、親族との繋がりが希薄になりつつあります。そして、お墓の必要性に疑問を持っている方もいるようです。ここでは、「お墓がいらない」と考える、よくある理由を2つご紹介します。
お金がかかる
納骨する人数や管理料の違いによっても費用は変わりますが、一般墓にかかる費用の相場は、平均約150万円~300万円です。お墓はいらないと思える方の多くは、このお墓に関わる費用について懸念しているようです。確かに、お墓を建てる際は、墓石代や工事費のほか、永代使用料、管理料、戒名料などの費用がかかります。
しかし、古来よりご先祖様がお墓を建ててきたのには理由があります。金銭面でお墓がいらないと考える前に、一度お墓が何のためにあるのかを考えてみる必要があるでしょう。
自分の子供たちに負担をかけたくない
お墓はいらないと考える方の中には、残される子供たちの負担を心配する方も多くいます。お墓には、管理する人が必要です。管理者は、霊園やお寺などに管理費を支払うというだけでなく、お墓の環境が荒れないように定期的に清掃しなければなりません。また、お墓が近くにないと、お墓参りをするのも一苦労です。
これらの手間について考え、子供には迷惑をかけたくないとして、「お墓を建てない」という結論を出す方がいるようです。
お墓は確かに清掃や管理が必要ですが、家族が集まる場所や機会を創る役割もあり、かえって家族の距離が縮まるきっかけにもなります。長期的に家族のためにどのような選択肢が良いのか、今一度考えてみると良いでしょう。
改めて確認しておきたいお墓の必要性
ここまで、お金がかかる、子供に負担をかけたくないなど、「お墓はいらない」と考える方の主な理由をご紹介してきました。ここからは、お墓の歴史やお墓の役割について解説します。お墓の本質的な必要性について改めて考えていきましょう。
お墓の歴史
日本のお墓の歴史は古く、埋葬の文化は縄文時代より始まったとされています。縄文時代から、人間は動物の一種ではなく、霊魂と肉体から成り立つ存在と考えていました。縄文時代では、遺体を土葬するだけで、墓の上に墓石などは建てていません。
古墳時代には、大規模な古墳と呼ばれるお墓が造営されるようになります。大阪府堺市にある仁徳天皇陵古墳(大仙古墳)が有名な古墳です。古墳は、天皇や貴族など、権力を持つ者だけが造営できるお墓でした。
平安時代に入ると、仏教の影響より貴族などの間で火葬が取り入れられ、小規模なお墓が建つようになります。鎌倉時代には、仏教が庶民にも浸透したことで、土葬と火葬が並行して行われていました。
しかし、江戸時代には、火葬ではなく土葬が主流になります。この頃から、お墓の土を盛り上げる土饅頭(どまんじゅう)が築かれるようになりました。一説によると、土饅頭には、白骨化するさいの死者の苦痛を和らげると言われています。武家のお墓に限り、板塔婆(いたとうば)や石塔婆(いしとうば)が立てられました。その後、その風習が庶民に広がり、お墓の上に墓石や卒塔婆(そとうば)を立てることが一般化しました。
かつてのお墓は、権力者や富裕層だけが建てられるものでした。しかし、時代の移り変わりとともに、一般の人が建てられるようになったわけです。なお、誰でもお墓が建てられる時代が訪れたのは、昭和30年代の高度経済成長期以降です。
お墓の役割
お墓には、物理的な役割と精神的な役割があります。物理的な役割としては、遺骨を埋葬することです。人の骨は、許可を得た場所にしか埋葬できません。そのため、お墓は、遺骨を供養する場所として欠かせないものです。
また、墓石には、先祖代々、名前が刻まれます。つまりお墓は、家系の歴史になるのです。そのため、後世の人々がお墓を通して、先祖のルーツを辿ることも可能です。
お墓の精神的な役割は、お参りをすることで、故人と残された家族を繋ぐことです。いわば、お墓とは亡くなった方の霊魂と家族の再会の場です。お墓があればお墓参りの機会が設けられます。に墓前で手を合わせることで、故人を思い出し感謝を捧げ、家族の絆を確かめることができます。
さらに、決まった時期にお墓参りをすることで、普段は離れて住む家族が集まる場として役割も持ちます。
お墓を建てるメリット・デメリット
お墓は、故人を思う遺族にとって重要な役割を担うということが分かりました。続いては、お墓を建てることのメリットとデメリットや、最近増えつつある生前墓を建てることのメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。
お墓を建てるメリット
まずは、お墓を建てることそのもので得られるメリットをご紹介します。
・安心して遺骨を埋葬できる
遺骨を納める場所は、ご自宅や納骨堂など、ご家庭によりさまざまです。中には、遺骨の処遇をめぐり不安に思う方もいます。遺骨を土に還せるお墓は、遺族に安心感を与えます。
・家族のつながりを感じられる
先祖代々の遺骨を埋葬するお墓は、後世に継承されます。私たちの命は、ご先祖様によって命をつないだからこそ存在しうるものです。お墓参りをすることで、家族のつながりを感じ、自身が今生きていることに感謝できます。
・ご先祖様に祈る場になる
人生を歩んでいると、悩みや不安があり何かに祈りたい時が訪れるでしょう。そんな時に、自分だけの祈りの場として、お墓でご先祖様に手を合わせることができます。
次に、生前にお墓を建てておくメリットをご紹介します。
・自分好みのお墓を立てられる
お墓は、デザインから石の種類まで様々です。例えば、生前に子供たちに理想のお墓について伝えても、希望通りのお墓を建てられるとは限りません。しかし、生前に、ご自身でお墓選びをすれば、後悔が残らないでしょう。
・じっくりと選ぶ時間がある
ご自身が病に倒れたり、亡くなった後に遺族がお墓を探したりと、限られた時間の中で選ばなければなりません。しかし、終活として生前にお墓選びをすれば、時間に余裕があるため、納得のいくお墓を建てられるでしょう。
・遺族の負担を軽減する
故人が亡くなった直後、遺族は遺品整理や法要準備などに追われます。慌ただしい中で、お墓選びを並行して行わなければなりません。生前にお墓を建てれば、遺族がお墓選びをする負担を軽減することができます。
お墓を建てるデメリット
続いて、お墓を建てることそのもののデメリットをご紹介します。
・承継者がいない場合に管理の問題が起こる
後世にお墓を引き継ぐ者がいれば、少なからずお墓を管理できるでしょう。しかし、遺族が生涯未婚であったり、子供をもうけなかったりして、跡取りがいなくなると無縁仏になる可能性もあります。
・費用がかかる
前述の通り、お墓を建てるには、ある程度まとまった費用がかかります。加えて、年に一度、お墓が建つお寺などに管理料を支払います。そのため、遺族は、管理料を負担しなければなりません。
最後に、生前にお墓を建てるデメリットを解説します。
・維持費が必要
お墓は、遺骨の埋蔵の有無を問わず、お寺や霊園に管理費を支払わなければなりません。そのため、あまり早い段階にお墓を建てると余計な費用を負担することになるため注意が必要です。
・お墓を建てられる場所が制限される
自治体が運営する一部の公営霊園などでは、遺骨がなければ生前墓を受け付けていない場合もあります。そのため、公営霊園にお墓を建てることを希望する場合は、自治体の募集要項を確認しましょう。
お墓がいらない場合の選択肢
お墓の歴史や役割に加え、メリット・デメリットを知った後でもなお、「お墓はいらない」という考えを持つ方もいるでしょう。ここからは、そんな方に向けて、一般的なお墓を建てる以外の埋葬方法の選択肢をご紹介します。
永代供養墓
永代供養墓とは、合同で納骨を行う合同墓を指します。永代供養というと、「永代に渡り供養してもらえる」と思いがちです。しかし、永代供養の「永代」とは、「長い年月」を意味します。お寺や霊園によっては、遺骨を安置する期限が定められている場合もあります。
永代供養墓のメリットは、お寺が遺族に代わって、お墓の管理をしてくれることです。永代供養墓では、遺族に気を使うことなくお墓に入ることができます。
一方で、最終的に、血縁のない複数の方と同じ場所に埋葬されることは留意しておきましょう。永代供養墓は、基本的に、多くの遺骨を区画分けしたカロートに収めます。カロートとは、墓石の中に遺骨を安置する場所です。しかし、一定期間が経つと、血縁のない方々の遺骨とまとめてられて同じ場所に埋葬(合祀)されます。なお、始めから故人の遺骨を、他の方々と同じカロートに納めるケースもあります。
樹木葬
樹木葬とは、地中に遺骨を埋葬し、墓石の代わりに樹木や花を植える墓地です。一口に樹木葬といっても、様々なスタイルがあり、大きなシンボルツリーの周囲に多くの遺骨を埋葬するタイプもあれば、芝生や草花に覆われたガーデン風のタイプもあります。
樹木葬のメリットは、主に2つ挙げられます。
1つ目は、費用を抑えられることです。樹木葬は、遺骨を埋葬するスペースを抑えられるため、比較的安価にお墓を持つことができます。2つ目は、管理に関わる問題を解消できることです。樹木葬は永代供養の場合が多いため、霊園などの管理者が手入れや管理を行います。
一方で、樹木葬では、最終的に合祀される可能性があります。管理する霊園にもよりますが、一般的に、一定年数が経過した遺骨は、合同墓などに合祀して土に返します。
個人墓が良いのか、将来的には合同墓でも良いのかは、ご自身のお気持ちや親戚、子供とよく相談しましょう。
なお、遺骨は、「墓地・埋葬等に関する法律」に基づき、墓地として許可を得た場所にしか埋葬できませんので、勝手に庭や公園の樹木の下に埋葬することはできません。
すでにあるお墓を撤去・移動する墓じまいとは?
◆墓じまいとは、遺骨を他の墓地や永代供養墓に引っ越しする際に必要な、既にあるお墓を撤去する作業のことを指します。
お墓が遠方にある、お墓の継承者がいないといった問題を抱えている方が、お墓を無縁仏にしないためにできる選択肢です。
墓じまいには、
・改葬許可証や受入証明の申請
・閉眼供養
・離檀
・お墓の撤去工事
・移転先での納骨
といった工程があり、移転先や手続きにもよりますが、数十万円単位の費用が発生します。
遺骨は遺体の一部であり、「お墓がいらない」として、届けを出さずにすでにあるお墓を移動したり、撤去したりすることはできないため、どのような理由であれ、必ず墓じまいを行いましょう。
まとめ
これまで、何となく「お墓はいらない」と考えていた方も、お墓の物理的な役割だけでなく、残された遺族の心を整理するという精神的な役割に気づき、その重要性が改めてよく理解できたのではないでしょうか。遺族に迷惑をかけるというよりも、遺族を思うからこそ、お墓を建てるという選択肢もあるのです。
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