お墓の値段はいくらかかる?費用とお墓を決める判断基準を紹介
2020年11月22日
お墓を購入する機会は、人生の中で決して多くはありません。そのため、いざお墓を購入する際には、その買い方や値段で迷うこともあるでしょう。特にお墓の値段は非常に幅広く、どのように値段が決められているのかも分かりづらいものです。
この記事では、お墓の値段が決まる要素をご紹介したうえで、お墓の種類や墓石の種類ごとの値段を解説します。
お墓の値段はどうやって決まる?
お墓は単に墓石だけではなく、土地・墓石・墓具などを含めて値段が決まります。ここでは、それぞれの値段が決定する基準をご紹介します。
お墓を立てる場所と広さ
お墓を建てる土地にかかる費用を永代使用料といいます。永代使用料は、20万円から200万円が相場です。ただし、実際に「墓地を買う」ことはできず、「墓地の永代使用権を買う」ことを意味します。この永代使用料は、主にお墓の立地や広さによって値段が変わります。
立地は、不動産と同じく、地価が高く、アクセスしやすい場所にあるほど高い傾向にあり、区画も当然広ければ広いほどが高くなります。高い費用を出すことが難しい場合は、地価が安く、小さな区画を選択すれば、値段を安く抑えることができます。
石材の種類と大きさ
石材の種類と大きさによっても値段が変わります。例えば、国産の石では数百万円を超えるものがあるのに対し、中国産では数十万で購入できるものも存在します。
また、石材の大きさも値段に影響を与えます。石材が大きくなるほど値段は上がりますが、墓石の値段は加工前の石材の大きさで決まるため、加工を施して石材量が少なくなってしまっても、元の石材量が多ければ、その分だけ高額になります。
墓具の有無と大きさ
墓石以外の付属品である墓具の有無も、お墓全体の値段に関わります。墓具は宗教・宗派・地域によって異なりますが、広く知られているのは、外柵・墓誌(墓標)・卒塔婆立て・物置台・墓前灯篭などです。次の章では、墓具の値段相場をご紹介します。
墓具の種類と値段相場
墓具は宗教や地域などによって大きく異なるため、さまざまな種類があります。この章では、日本のお墓で馴染みのある墓具の値段相場をご紹介します。
外柵
外柵は、お墓の周りを囲う枠のことを指し、隣の墓地との境界線となります。外柵は石材と撒き砂利で構成されており、それぞれ使用する石材の種類や敷地の大きさによって値段が異なります。1㎡の相場は数十万円から100万円程度(基礎工事・据付費・石材費含む)かかります。
墓誌
墓誌は、故人の名前を刻む石碑です。比較的大きなお墓で、墓石の脇に建っているのをご覧になったことのある方もいるでしょう。墓誌は文字を彫刻する費用と合わせて十数万円から50万円が相場となっていますが、御影石のように高額な石で墓誌を作る場合は、その分値段も高くなりますので、ご注意ください。
卒塔婆立て
卒塔婆とは、細長い板で供養のために用いられます。卒塔婆を立てることは善を積むこととされ、故人の冥福につながると考えられていることから、奨励されています。その卒塔婆を立てるために使用されるのが卒塔婆立てです。卒塔婆立ては、石・アルミ・ステンレスなど様々な素材から造られ、数万円から20万円程度です。
物置台
物置台は、お墓の空きスペースに設置する一時的に手荷物を置くための墓石です。単に荷物を置くだけでなく、物置台を置くことで、お墓全体の見栄えも良くなります。物置台も大きさや種類によって値段が変わりますが、平均的な相場は5万円ほどです。
墓前灯篭
墓前灯篭には、故人を灯火で供養する他、故人が天国で迷わないようにするための道灯りや、明かりで邪気を払うという意味があります。また、昔は外灯がなく暗かったので、墓前灯篭は、お墓参りに来た人を明るく照らす道しるべでもありました。
現在では、外灯が普及しており、灯篭の明かりとしての役割は薄れ、お墓を華やかに見せるために設置されます。墓前灯篭の相場は、数万円から10万円以上となっています。
お墓の種類別の値段相場
お墓には様々な種類があり、最近では海洋散骨や樹木葬といった新たな葬儀やお墓が登場しています。この章では、多種多様なお墓の種類別に値段相場をご紹介します。
一般墓
一般墓は家族で代々継承していく、伝統的なお墓のことを指します。一般的に「お墓」という言葉を聞いて最初にイメージするものだと言えるでしょう。
一般墓の値段は、上述したように、墓地の値段・墓石の値段・墓具の値段を合計したものです。そのため、墓所の大きさや石材の種類、墓具などによって、値段の幅は非常に広くなっていますが、150万円~300万円程度が相場となっています。
お墓の役割
一般墓は家族で代々継承していく、伝統的なお墓のことを指します。一般的に「お墓」という言葉を聞いて最初にイメージするものだと言えるでしょう。
一般墓の値段は、上述したように、墓地の値段・墓石の値段・墓具の値段を合計したものです。そのため、墓所の大きさや石材の種類、墓具などによって、値段の幅は非常に広くなっていますが、150万円~300万円程度が相場となっています。
納骨堂
納骨堂とは、故人の遺骨を保管してもらえる施設のことです。もともとはお墓ができるまでに一時的に遺骨を預けている場所でしたが、時代の変化とともに多様なニーズに答える形で、費用が比較的低く抑えられるお墓として使用されています。
主に寺院や霊園が運営していますが、自治体などの公営で運営されている納骨堂もあります。納骨堂の値段は、大きく永代供養料と管理費の2つに分かれます。納骨堂を使用する場合の費用は数万円から100万円程度です。
また、納骨堂は期間を設定して利用するのが一般的です。多くの場合、3年・13年・33年という期間までは、個別の納骨堂で供養をしてもらえ、契約していた期間が過ぎると、合葬という形で他人との共同のお墓に入ります。
永代供養墓
永代供養墓は、寺院や霊園が故人の遺骨を預かり、永代にわたって管理をするお墓です。永代供養墓には、合祀専用のお墓と永代供養がセットになったお墓の2種類があります。
合祀専用のお墓の相場は、10万円から30万円程度です。他の人々と1つの永代供養墓を共同利用します。埋葬後は、すべて寺院や霊園に任せることができるので、お墓の管理や継承を心配する必要がありません。
永代供養がセットになったお墓は、一定期間、一般墓として使用することができ、契約した使用期限が過ぎると合祀され、寺院や霊園が永代供養をしてくれるお墓です。使用期限の長さにもよりますが、おおむね20万円から100万円程度で利用できます。
海洋散骨
海洋散骨は最近になって広がりを見せており、「自然に帰る」ことを望む方々に選ばれています。海洋散骨の費用は、およそ5万円から20万円と幅があり、遺族の代わりに代行会社が散骨をするプランが5万円ほど、複数の遺族とともに散骨をするプランが10万円ほど、船を貸し切って散骨をするプランが20万円ほどとなっています。
なお、海洋散骨をするには、自治体の許可を得なければならないとしており、許可なく海洋散骨を行った場合、罪に問われることもあります。
樹木葬
樹木葬とは、墓所に墓石の代わりに木を植えて墓標とするお墓のことです。樹木葬は、樹木に限らず、草花を墓標にする方もいます。そのため、海洋散骨のように自然が好きな方から選ばれるお墓です。
樹木葬は、大きく霊園型と里山型の2つに分かれます。霊園型は一般墓のように区画整備されており、緑豊かな公園のような雰囲気で、様々な趣向を凝らしたデザインの霊園が多くあります。一方で、里山型は、極力自然に近い形で整地も最小限です。ただし、広大な土地が必要なため、交通が不便な場所にあることが多いです。
樹木葬の値段相場は、合祀の場合、埋葬される区画が個別になった集合型の場合、1本の樹木の下ごとに個別に埋葬される個別型の場合で異なります。合祀を選ぶとおよそ5万円から20万円ほど、集合型が15万円から60万円ほど、個別型が20万円から100万円ほどとなっています。
墓石の種類
墓石にもさまざまな種類があります。かつては和型の仏式の墓石が主流でしたが、最近ではその他のタイプの墓石が増えています。墓石の種類には大きく分けて和型墓石・洋型墓石・デザイン墓石の3種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
和型墓石
日本中で最も多いお墓の形が和型墓石です。お寺のお墓がまさに和型墓石で、石塔型・五輪塔・宝篋印塔(ほうきょういんとう)の3種類があります。なかでも石塔型は最も一般的なタイプで、縦長の直方体の墓石が特徴です。
五輪塔は、5つの意味のある石を積み重ねた墓石で、50年以上前に亡くなった先祖を供養します。5つの石は、1番上から順番に、空輪・風輪・火輪・水輪・地輪と呼ばれ、仏教ではそれぞれが自然界を構成する要素と考えられています。
宝篋印塔は、先祖を供養するお墓です。中国の呉の越王が宝篋印陀羅尼(ほうきょういんだらに)という呪文を塔に収めて、自身の延命を願ったことが由来です。日本における最古の宝篋印塔は鎌倉時代の作品で、宝篋印塔には重要文化財に指定されている石造美術品が数多くあります。
洋型墓石
洋型墓石は、横長で背丈が低めで重厚感のある形状のお墓です。重心が低いため、縦長の和形墓石に比べて、地震による倒壊のリスクが少ない点も特徴です。スタイリッシュでモダンなデザインのものが多く、最近では首都圏における新しいお墓の半数以上が、全国でも4割以上の人が洋型墓石を選択しているというデータがあります。
洋型墓石は主に洋型二段・洋型三段から成ります。ちなみに、洋型墓石に刻む文字は基本的に自由であり、故人への思いを表した文字を選択することができます。
デザイン墓石
デザイン墓石は、その名の通り、オリジナルのデザインがあしらわれた墓石です。故人の個性や人柄を表すモニュメントのような意味合いもあります。デザイン墓石は、主に既製品とオーダーメイドの2種類があります。既製品は、各石材業者とも様々な工夫を凝らした墓石を制作しており、オーダーメイドには、墓石の形をゼロからデザインする完全オーダーメイドと、好みの石や絵柄を選んで作り上げる簡易オーダーメイドがあります。
まとめ
この記事では、お墓の値段を決める要素や、墓具・お墓の種類などによる値段相場についてご紹介しました。お墓を選ぶ際には、これらの要素や種類を検討しながら、予算内で好みに合わせたものを選択していきましょう。
お墓は一度作れば、末代まで継承していく一生ものの買い物です。お墓を作ることで、家族や親戚が集まる場所と機会を創出することにもつながります。