お墓参りの服装マナーをご紹介。男性・女性で気をつけることとは?

2020年12月16日

お墓参りの服装で迷ったことはないでしょうか。お墓参りの服装に決まったルールはありませんが、ふさわしくない格好は存在するため、注意が必要です。
この記事では、お墓参りにおける服装について詳しくご紹介していきます。




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お墓参りの服装の基本マナー


まず前提として、お墓参りにはいつ・どのような服装で行かなければならないという厳密なルールはありません。つまり、いつでも・どんなタイミングでもお墓を訪ねることができ、その時に身に着けている服装が礼服ではなく普段の服装だったとしても構わないということです。お墓参りで大切なのはお墓を訪ねた人々の気持ちであり、ルールやマナーではありません。お墓参りにおける服装の考え方は様々ですが、周りの人達に不快な思いをさせない配慮さえ持っていればどんな基本的にはどんな服装でも問題はありません。

しかし、迷惑をかけないために、一般的には避けるべきとする服装もあります。どんな服装にすればよいか迷ってしまった場合は、これからご紹介する服装のマナーを守って行動すれば周りの人に迷惑がかかることはないでしょう。

派手な服装は避ける

多くの場合で墓地・霊園を訪れる際は自分一人だけではありません。「厳かな墓地・霊園」「不特定多数の人が訪れる場所」ということを踏まえて、周りの人達に不快感を与える可能性のある「派手な服装」は避けると良いでしょう。基本的なマナーとして、避けるべきとされる派手な服装には以下のような特徴があります。

・色彩鮮やかな服
目に鮮やかな赤・黄・緑といった色の服装は避けるようにします。基本的にはモノトーンや茶色などの静かな印象を与える色の服装が良いでしょう。自分たちは賑やかなお参りを望んでいても、周りの人の中にはまだ悲しみの中から抜け出せていない人もいるかもしれないからです。同様に派手な模様・動物柄なども控えた方がよいでしょう。

・肌がでない服装
日陰が少ない霊園・墓地を訪ねるとはいえ、肌の露出が多いノースリーブ・タンクトップ・ハーフパンツなどのラフな服装は控えます。先にご紹介した色彩鮮やかな服装と同様に、肌が出過ぎた服装が周りの人に不快感を与えてしまう可能性があるからです。また、郊外に位置する霊園などでは草木が茂っていることも多く、怪我や虫刺され防止の意味でも肌の出ない服装をするようにしましょう。

・毛皮のコートやファー
仏教の教え「不殺生」は「生命(いのち)あるものを殺してはいけない」という考えに基づいています。動物の生命を奪って作られる毛皮のコートやファーは不殺生に背くような印象を持たせてしまうため、人によっては墓地や霊園には不適切として不快に感じる方もいます。そのため、周りに仏教の教えを大切にしている人がいる場合は毛皮のコートやファーの付いた服はお墓参りには避けるべきでしょう。

アクセサリーや装飾品は原則禁止

原則として霊園や墓地の敷地内では派手なアクセサリーや装飾品を身に着けることは避けるべきとされています。アクセサリーの考え方も服装と同じで、他の人に不快感を与えないようにする配慮のひとつです。お墓を訪ねる予定がわかっている場合、アクセサリー類はモノトーンカラーで主張しすぎない清楚なものを選んでおくと良いでしょう。もし、派手なアクセサリーを身に着けていた場合は、敷地内に入る前に外しておきます。また、匂いの強い香水や制汗スプレーも他の参拝者に迷惑をかけるため控えるようにします。



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日常的なお墓参りの際の服装


先にご紹介したとおり、お参りする気持ちを大事にして周りの人に迷惑を欠けないというマナーさえ守っていれば、お墓参りの服装は普段の外出時に着ているもので何の問題もありません。ただし、日常的なお墓参りとは言えTPOを守って行動しなければならないケースもあるでしょう。ここでは、日常的なお墓参りにおすすめの服装についてご紹介します。全体的なポイントは「清潔で地味な色味の服装」です。

男性の場合

普段の外出時の服装の中でもカジュアルなものではない、モノトーン系の地味な服装を選ぶと無難でしょう。清潔感さえあれば夏場であってもTシャツや半袖でも問題ないとされています。お寺の住職の方にお墓などについて相談をする時間を割いてもらっている場合には、黒やダーク・グレーのスーツを着用することをおすすめします。

女性の場合

女性の場合も落ち着いたモノトーン系の服装を選ぶことが一般的なマナーです。黒・紺・白などの落ち着いた色を選び、アクセサリー類も同様に派手なものを避けるようにします。アクセサリーに関しては礼服のように真珠もしくはオニキスといったものにすると良いでしょう。メイクや髪型も目立ちすぎないように気をつけます。

子どもの場合

子どもの服装に関しては特別にお墓参りを意識する必要はなく、普段通りの服で何の問題もありません。ただし、教育の一環として学校の制服やモノトーンの色味の服装をさせるケースもあります。お墓に手を合わせる意味を理解することは難しいかもしれませんが、冠婚葬祭のマナーを身に着ける良い機会をなるでしょう。

お墓の掃除を行う場合

お墓を掃除するときは「汚れていい・動きやすい」服装がおすすめです。お墓掃除は墓石を掃除したりお花の水を替えたりと、水を扱う機会が多く服が汚れやすい作業です。さらに、区画内に生えた雑草を抜くのにかがむ必要があるため、動きやすい必要があります。そして、多くの場合でお墓の周りには玉砂利が敷き詰められています。そのため、歩きにくい靴は怪我につながりますので、スニーカーなどの動きやすい靴を履くとよいでしょう。



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節目の日にお墓参りに行く際の服装


ここまで普段のお墓参りには服装には決まりごとがないと説明してきました。しかし、普段のお墓参りとは異なり、法事・法要などの節目の日のお墓参りには喪服を着用することが基本です。ここからは、節目の日のお墓参りの服装についてご紹介します。

法事・法要

基本的に法事・法要では四十九日法要から一周忌法要、そして三回忌法要までは男女共に喪服を着用します。七回忌以降の法事では準喪服もしくはそれに近い平服でのお参りが望ましいです。その際の平服は、落ち着いた色味の黒や濃紺の服装を選ぶと良いでしょう。

ご先祖に報告があるとき

自分や家族・親族に結婚や出産など、ご先祖様にご報告がある時には普段着よりもフォーマルな服装が望ましいとされています。控えめで落ち着いた色味の平服、もしくは黒や濃紺のスーツを着用すると良いでしょう。

お彼岸・お盆の時期

初盆の墓参りの服装は普段着で構いませんが、初盆の法要を執り行う場合は、普段着ではマナー違反となるため、法要にふさわしい喪服を着用するようにします。春のお彼岸や夏のお盆の墓参りは暑い日中にお参りすることになりますので、暑さ対策で帽子をかぶる方もいらっしゃるはずです。帽子をかぶること自体は何の問題もありませんが、お墓に手を合わせる前には帽子を脱ぐようにします。



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服装以外に気をつけておきたいポイント


お墓参りには服装以外にも、お墓がある墓地や霊園を訪ねる際のマナーなど注意しておきたいことがいくつかあります。ここから、服装以外に知っておくべきお墓参りで気をつけるポイントについてご紹介します。

管理者に対するマナー

お墓には、寺院墓地・公営霊園・民営霊園などさまざまな形態があります。寺院墓地であれば住職の方とその家族の方々がいらっしゃいますし、各霊園にも管理者がいることでしょう。寺院にある墓地を訪ねる前に、住職の方に挨拶をして御本尊を参拝するのが一般的です。霊園においても、管理者に一言挨拶をしてお墓に向かうようにしましょう。

お墓参りをする時期

仏教においてお墓参りをすることが決められた日時は「お盆」「お彼岸」「祥月命日」です。これ以外の日時にお墓参りすることに決まりごとは無く、いつでもお参りをして構いません。ただし、お参りをする時間に関しては気をつけなければなりません。開門・閉門の決まりがある墓地・寺院では必ず時間内に訪ねるようにします。お参りの時間が決められていない墓地・霊園においては、常識の範囲内での訪ねるようにしましょう。早朝や深夜のお参りはお寺の方や近隣住民に迷惑をかけたり、不安感を与えたりしてしまいます。

持ち物

お墓参りの際には一般的にはお供え物を持参の上でご先祖様にご挨拶をします。一番忘れてはいけないのは故人とご先祖様を偲ぶ気持ちですが、基本的なマナーとしての持ち物を忘れてしまうと、同席者に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。基本的なマナーとして必要とされる持ち物の一例は以下の通りです。

・お花
墓前にお供えする花束です。墓石の左右に備えられた花立てにそれぞれ供えるため、花束は2束用意します。用意するお花は季節で痛みにくく、日持ちするもの選びましょう。お供え物の定番「菊」は痛みにくく日持ちするのでおすすめです。お墓にお供えした花をそのままにしておくと、腐敗してしまいますので、お参りが終わったら持ち帰るようにしましょう。また、近年では生花ではなく造花をお供えするケースも増えています。

・お線香
お供えするお線香は、線香の束ごと持ち込むことをおすすめします。束になっているお線香は、同席者にお線香を分けられるためです。普段から仏壇にお供えしているお線香でももちろん構いませんが、墓地や霊園ではお墓参り用にまとめられた束のお線香が販売されています。お手持ちのお線香が一本ずつのタイプの場合は束のタイプのお線香を購入すると良いでしょう。
また、お線香から立ちのぼる香りはお参りをする人々の気持ちを落ち着かせる効果や、浄化の作用があるとされています。近年のお線香は様々な香りのものが数多く棚に並んでいますので、故人の好きだった色や香りを選んでお供えをしましょう。



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・数珠
お墓に手を合わせる際に数珠を用いるのは、お墓参りでは正しい作法です。必需品ではありませんが、服装の考え方と同じように周りの人に不快感を与えてしまわないためにも数珠は持ち物に加えておくことをおすすめします。どれも同じように見える数珠ですが、厳密には宗派によって形・構成が異なる場合があります。しかし、大切なのは作法よりも墓前に手を合わせる気持ちですので、宗派の決まりごとを気にして数珠をいくつも用意する必要はありません。

・故人の好きだった食べ物
お供え物は果物やお菓子が一般的です。果物であれば季節のものを、お菓子は焼き菓子などの日持ちするものにすると良いでしょう。しかし、ここでもあまり作法やマナーにとらわれずに故人の好きだった食べ物を選ぶことをおすすめします。故人の好きだったものをお墓にお供えすることは、お墓で眠る故人に喜んでもらうこと以上に、お供えをする自分や親族が故人との思い出を振り返るきっかけになるでしょう。一般的なマナーでお供えする食べ物を選ぶことよりも、故人との食事を思い出しながら手を合わせることが、本当の意味での供養になるとされています。

・ろうそく
お墓参りにおいてろうそくは儀式的な意味を持つ持ち物です。ろうそくをお墓に灯すことには「故人に誰がお参りに来たかを知らせる」「悪いものたちを祓う」という意味があり、ろうそくに火を灯すこと自体がお供えのひとつです。また、線香に火を付ける際はライターやマッチよりもろうそくの火を使う方が良いとされています。用意するろうそくは仏事用の白ろうそくを選んでおけば問題ありません。

・掃除用具
汚れた墓石と区画内を掃除するためには掃除用具が必要です。多くの墓地・霊園で掃除用具は貸し出しされていますが、混雑具合で借りることができないケースもあるでしょう。借りることができなかった時を想定して、バケツ・ほうき・ちりとり・雑巾の4点は持参しておくと安心です。


礼装と平服の違い

「礼装」は冠婚葬祭などで敬意を表す場で着用する正装の事を指します。通夜や葬儀、そしてお墓参りに着る「喪服」は礼装のうちのひとつです。喪服は上下が黒もしくはダーク・グレーのスーツが一般的なマナーで、目立たない服装であることが重要視されます。そして、正式な礼装のひとつである喪服と比較すると格式が低いものに「準喪服」「略礼装・略喪服」があります。略喪服は「平服」とも呼ばれ、最も普段の服装に近いスタイルです。平服は「普段外出時に着る服装」の意味です。お墓参りに平服で参列するように指定された場合には、モノトーンを基調の目立たない服装を選びます。平服としてスーツを着る場合には、喪服と同じく黒系のスーツを選ぶようにしましょう。



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まとめ


お墓参りの服装に関しては一般的なマナーや注意点が数多く存在していますが、常識的な服装を着用して周りの人達に不快感を与えたり迷惑をかけたりしなければ難しく考える必要はありません。お墓参りで最も大切したい考え方は、故人を偲び、手を合わせる気持ちです。

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