お墓の管理費はどのくらいかかる?管理費を支払う人についても解説

2020年12月17日

お墓の管理費というものをご存知でしょうか。管理費は、お墓を持っている限り支払い義務があり、1年に1度お寺や霊園に支払う必要があります。この記事では、管理費の相場価格から、支払いが難しくなってしまった時のための「墓じまい」と「永代供養」まで詳しくご紹介しています。




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お墓の管理費とは?


お墓を家族や親族の次の世代に引き継いでいくための費用が「管理費」です。その使用用途は、お寺や霊園によって異なります。例えば、お寺では主に敷地内の清掃・掃除用具の手入れ・水道料金などに使用されます。ちなみに、お寺における管理費は年会費である「護持会費」となります。その他に、季節の催し物ごとの「お布施」、お堂の「修繕費」などさまざまな費用が必要となります。
公営霊園の場合もほとんどがお寺と同じような使用用途ですが、場所によっては敷地内・トイレ・水道にのみ使われ、掃除用具などの準備には費用が充てられないことがあります。
こうした管理・清掃が必要最低限の場所は、概ね管理費が安価になる傾向です。民営霊園においても敷地全体の管理・清掃など使用用途はほぼ同じですが、専用の法要の会館や休憩処や送迎バスを運営するなど、サービスが充実している霊園はそれらの維持・管理にも使われています。



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お墓の管理費はどのくらい?


お寺や霊園によって使用用途が異なる管理費ですが、ここではそれぞれの相場価格について詳しくご紹介します。

管理費用の相場

1年あたりの管理費の全国平均相場価格は「約5千円~数万円」です。傾向としては、公営霊園が最も安く、寺院墓地が高くなります。また、相場を地域ごとで見てみると、東京などの首都圏ほど高くなり、地方ほど安くなる傾向です。以下から、墓地ごとにおける相場価格をご紹介します。

・寺院墓地
お寺がその敷地内で管理している墓地です。お寺における管理費は、年会費にあたる護持会費と法事参加時にお渡しするお布施の合計が主で、年間相場は「約千円~3万円」です。ただし、寺院墓地の中でも特に格式が高いお寺の場合、1年当たりの護持会費などの合計が3万円以上になるところも珍しくはありません。

・民営霊園
光栄法人や宗教法人などが運営している霊園です。年間相場は「約5千円~1万5千円」です。先にご説明したように、民営霊園は施設の充実具合によって費用が変わります。また、民営霊園は施設の豪華さだけではなく、「宗旨・宗派を問わない」「利用者の資格制限がない」「墓石のデザインが比較的自由」といった特徴があります。

・公営霊園
都道府県および市町村が管理している霊園です。年間相場は「約4千円~1万円」です。公営霊園は他の霊園と比較すると最も費用が安く、自治体が運営しているため永続性が高い点が特徴的です。しかし、設備が十分に整っていないケースもあり、掃除用具などを自身で持ち込む必要がある所も少なくありません。

檀家になる場合の費用

お寺の敷地内にある寺院墓地にお墓を持つ場合、原則としてそのお寺の「檀家」になる必要があります。檀家は法事や葬儀などの仏事のお世話をしてもらう代わりに、お布施でそのお寺を支援しなければなりません。お寺の檀家になるには年会費にあたる護持会費のほか、以下のような費用が必要となる場合があります。

・入檀料
檀家となるために必要なお金です。平均相場は「約10万~30万円」です。

・法要など行事の際のお布施
お彼岸・盂蘭盆会・浄土宗の十夜法要、そして浄土真宗の報恩講などの法要の際には、「数万円」の参加費にあたるお法施を渡す必要があります。

・建物の修繕の寄付金
仏教においてお寺の建物はその宗派の檀家の共有財産であるという考え方です。したがって、お寺の建物の修繕・改修の際には寄付金が求められることがあります。ただし、あくまでも寄付であるため、必ず払うお金ではありません。



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お墓の管理費は誰が支払う?

先祖代々に渡って承継され、管理が行われてきたお墓を「承継墓」といいます。承継墓が墓地の区画にあり続けているということは、家族・親族のうち誰かが管理費を毎年支払っていることに他なりません。

お墓の管理費は原則として「承継者」と呼ばれるお墓の跡継ぎの人物が支払います。実はお墓は遺産として相続されるものではありません。したがって、事前に承継者を選んでおく必要があり、選ばれた人物は承継者としてそのお墓を管理・維持するための費用を支払う義務が発生します。また、承継者になった人物は、墓地使用者の名義変更とその届出を行う必要があります。

古くから承継者は長男が引き継ぐことが慣習でしたが、実は選び方については特に定められた方法はありません。口頭での伝達や手紙などの書面での方法で次の承継者を指定することができます。ですが、行き違いによって家族・親族間で承継者に関するトラブルが起こることは珍しくありません。もしそのようなトラブルが起こることを避けたいのであれば、遺言書でもって正式に承継者を指定するという手段があります。この場合では、弁護士や公証人に依頼して遺言書を作成するのが一般的です。

ところで、近年では承継者不足が一つの社会問題にまで発展しており、承継者になる人物を選ぶことができない家庭が増えてきています。その背景には、家制度の意味が希薄になったことや、少子化に伴う核家族化、高齢化社会が深刻な地方地域、個人主義といった価値観の変化など、さまざまな原因があります。承継者が決まっていない場合には、基本的には縁故者が相談してその内から承継者を決めなければなりません。



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管理費の支払い方法


承継者が支払うお墓の管理費、ではどのような方法で、どのタイミングで支払いを行うのでしょうか?

管理費を支払うタイミング

管理費は「一年分を一度」に支払うのが一般的です。なお、まだ多くはありませんが、数年分を一度にまとめて支払うこともできる墓地・霊園も増えてきています。また、「永代供養墓」の場合、管理費の支払いは年一度ではなく契約時や納骨時などのタイミングで一度だけです。半永久的に供養を行うという意味の永代供養は、家族・親族の内誰かではなく、墓地・霊園の管理者によって管理が行われます。

公営霊園や民営霊園での支払い方法

市町村が管理する公営霊園や民営霊園での支払い方法は、口座引き落としで1年分を支払う契約になっているところや振込みがほとんどです。注意すべき点は、口座から引き落としがされずに滞納してしまうことです。詳しくは後ほど詳しく解説しますが、滞納したままにするとお墓が撤去されてしまう可能性もあります。

寺院墓地の支払い方法

お寺の境内にあるお墓の場合、お彼岸などの法事のタイミングで住職に直接手渡しで管理費にあたる護持会費とお布施を支払うか、住職や檀家の代表である檀家総代が集金に来たタイミングで支払う方法が一般的です。

住職に渡す場合と檀家総代に渡す場合のどちらであっても、お金は必ず封筒に入れて渡します。封筒は白い封筒であれば無難で失礼に当たりません。表書きには檀家料・護持会費などお寺で使われている呼び名を記します。その下に自身の名前を書き、住所は裏面に記載するようにします。なお、お布施も支払う場合は護持会費とは別に封筒を用意することが原則です。お布施や護持会費は管理費としてひとくくりにされがちですが、根本的には別のものです。お布施の封筒には表書きにお布施と書き、護持会費とは封筒を分けるようにしましょう。



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お墓の管理費を滞納すると?


お墓を承継している限りは管理費の支払い義務が生じます。しかし、さまざまな事情で支払いが滞る場合もあるでしょう。お墓の引き継ぎがされないまま承継者が亡くなってしまった、経済的余裕がない、転居してしまったなど、さまざまな理由をもとに滞納してしまうことがあります。では、管理費を滞納したままにしていると、お墓はどうなってしまうのでしょうか。

お墓は撤去される

管理費が支払われず滞納したままになってしまうと、お墓は墓地・霊園の管理者によって撤去・処分が可能になります。一般的には管理費が滞納されると、お墓の承継者もしくは管理者に対して支払いを求める書面が郵送されると同時に、墓地には支払いを求める看板が掲げられます。書面や看板での支払いの連絡に応じず、支払いがさらに数年滞るとお墓は撤去・処分される可能性があります。

このように、管理費を滞納してしまったとしても、すぐにお墓が撤去されてしまう訳ではありません。もし、管理費を支払うことが困難な状況にある場合は、なるべく早く墓地・霊園の管理者に連絡することをおすすめします。

遺骨は合祀墓へ納骨される

管理費が滞納され続けてしまったお墓は「無縁墓」や「無縁仏」として扱われる可能性があります。無縁墓や無縁仏は誰も供養をする人がいないお墓やご遺骨のことです。先にご説明した通り、承継者不足問題が深刻な昨今では、承継が行われなかったために管理費が滞納されるケースが増えています。特に首都圏における承継者不在問題は深刻で、無縁墓・無縁仏は年々増加している状態です。

お墓の撤去・処分が決まると、取り出されたご遺骨は「合祀墓」へ埋葬されることになります。元の墓地・霊園に合祀塔がある場合はそこへ、ない場合は公営霊園の無縁塚に合祀されます。合祀とは骨壷からご遺骨が取り出し、他の方々のご遺骨とひとまとめに混ざった状態で埋葬する方法です。したがって、合祀墓に一度埋葬されてしまうと、後からご遺骨を取り出すことは不可能になります。

お墓の管理費用請求の時効

管理費を滞納したことでお墓が撤去・処分され、ご遺骨が合祀墓に埋葬された後、墓地・霊園の管理者は管理費の請求をすることできると民法の債権規定で定められています。これは、管理費についても民法の債権規定が適用されるためで、未払い分に関して10年以内は請求が続くと考えましょう。



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管理費の支払いが難しい場合


日本では古くから先祖代々のお墓をお寺や霊園に持ち、家族や親族で維持・管理することが理想的とされてきました。しかし、近年では少子化に伴う核家族化によって、お墓の承継者がいなかったり、一人で多数のお墓を承継したりといった状況も見受けられるようになっています。また、現代的な生活様式への変化によって、故郷のお墓の維持・管理が困難になるなど、お墓を取り巻く環境は年々厳しさを増す一方です。こうした背景から、全国的に無縁墓・無縁仏となるお墓・ご遺骨が問題になっています。

墓じまいとは

このため、無縁墓・無縁仏になるのを防ぐため「墓じまい」をして永代供養墓に入る選択をする人が増えています。永代供養とは、家族や親族に替わりお寺や霊園の管理者が供養を行うことです。そして、永代供養墓は一代限りのお墓で、永代供養には年間の管理費は必要なく一度だけ永代供養料・永代墓管理費を払えばその後の費用は基本的に必要ありません。

お墓(承継墓)は家族や親族がお墓を引き継いでいくことが原則なため、承継者となる子孫がいない場合はお墓を持つことができないお寺もあります。その一方で永代供養墓には跡継ぎを不要とするものがほとんどです。お墓を承継する子孫がいなくなったとしても、供養は引き続き寺院や霊園によって行われます。したがって、承継不在であっても無縁墓や無縁仏になる事を心配する必要はありません。

墓石を「しまう」というイメージがネガティブに捉えられてしまうこともある墓じまいです
が、永代供養墓に移転することで周囲に迷惑をかけずに供養を継続できる現代社会に適した供養の方法と言えます。また、永代供養墓はお供えのお花の入れ替えや掃除といった管理は、お寺や霊園の管理者手によって行われます。本来であれば家族や親族がお墓参りの際に行っていたお墓の維持・管理から開放されることで、お墓参りの際に発生していた金銭的負担と身体的負担は格段に軽減されるでしょう。

樹木葬という選択肢も

さらに近年では、一般的な永代供養墓での供養を望まずに、霊園内の区画内に樹木を植えて墓標とする「樹木葬」を選ぶ人も増えています。樹木葬での供養を選ばれる方は、永代供養墓と同様に家族や親族に負担をかけたくないという気持ちから選ばれる傾向です。

ただし、今あるお墓から永代供養墓へ引っ越すためには「改葬」という行政手続きとそれに伴う費用が必要となります。お墓に納められているご遺骨を勝手に取り出して別のお墓に納めることは罰則の対象です。今のお墓を管理しているとお寺・霊園、そして移転先の墓地の管理者とよく相談をした上で永代供養墓への移転を検討しましょう。



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まとめ


お寺や霊園にお墓をもっている限り発生するお墓の管理費についてご紹介しました。今やお墓の管理費の問題は承継者に引き継げればそれでいい、という問題ではなくなりました。代々に渡ってお墓を引き継いでいくことが難しければ墓じまいという選択をするのは決して間違いではないでしょう。そして、新しい供養のスタイル「樹木葬」などで一代限りの供養を行い、家族や親族に負担をかけないことも現代社会における供養の理想形のひとつなのかもしれません。

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「心のかようお墓づくり」

和泉家石材店のスタッフはお墓を建てる時、そして そこから始まるおつきあいを気持ちよく、末永くさせていただきたいという気持ちから“心のかようお墓づくり”をテーマに心のこもったサービスの提供とお客様のニーズへの対応に全力で取り組んでいます。お墓を建てる時はもちろんのこと、法事の際などにも独自のサービスを提供しております。

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