お墓の維持費には何が含まれる?維持費の負担を軽減する方法も解説!
2021年1月25日
お墓を建てた後は、お墓を維持・管理するためのさまざまな費用が必要になります。維持費は年間数千円~数万円の費用がかかりますが、費用の内訳には一体どのようなものがあるのでしょうか。
この記事では、お墓を維持するために必要な費用について詳しく解説していきます。また、維持費の負担を軽減する方法についてもご紹介します。
お墓の維持費には何がある?
お墓を維持するためには、管理料やお供え物といったさまざまな費用が発生します。ここでは、お墓の維持費の内訳について詳しくご紹介します。
管理料
管理料は墓地にお墓がある限り支払い続ける必要がある費用です。敷地内の共有スペースである駐車場や各区画への通路や水汲み場、そして休憩処などが入っている会館などの維持・管理は施設の管理者や所有者が行います。集められた管理料はこうした共有スペースの維持・管理のために使われる運営資金のようなもので、お墓を持つ人が気持ちよくお墓参りするために活用されています。基本的には1年分をまとめて口座引き落としで支払います。
一方、お墓がある区画の維持・管理は、原則的には家族や親族らが自らの手で行わなければなりません。
管理料は墓地の運営母体によって相場が異なります。ここからは運営母体ごとに異なる管理料の相場価格についてご紹介します。
・寺院墓地の場合
寺院の敷地内にある墓地を寺院墓地といい、寺院墓地で管理料と表記されている場合は、一般的に護持会費と各お布施の金額を合わせたものを指します。
護持会費は檀家の年会費として支払う費用です。水汲み場などの共有スペースに加えて、お寺全体の運営にその費用が充てられ、相場価格は約数千円~3万円ほどです。なお、格式が高かったり、都心部から近かったりすると護持会費は高くなる傾向があります。
さらに、お寺で催される盂蘭盆会や御施餓鬼といった行事では、参加費としてお布施を約数千円~3万円程度お渡しすることが通例となっています。
管理費がその他の墓地に比べて高額ですが、故人の供養にまつわる相談を一手に引き受けてもらえるというメリットがあります。
・公営墓地の場合
公営墓地とは、県や市区町村といった地方自治体が運営母体となって運営している墓地です。地方自治体が運営母体であることから信頼感が高く、管理料が他の墓地より低く設定されています。公営墓地の相場価格は年間約数千円~1万円ほどです。
ただし、公営墓地の中には水汲み場のひしゃくや掃除用具などが備えられていないケースもあります。必要最低限の設備しか整っていない場合は、お墓参りで持参する荷物も増えてしまうため、事前に設備をチェックしておきましょう。
・民営墓地の場合
民営墓地とは、宗教法人や公益法人が運営母体となっている墓地です。身内が亡くなってからでないと受付できないこともある公営墓地とは異なり、生前から区画の契約・購入が可能なことに加えて、墓石が自由にデザインできる墓地もあります。さらには、宗教や宗派について不問とすることもあるなど、制約が少なく最も自由度が高い点も大きな特徴です。
民営墓地の管理料は公営墓地より少し高くなり、相場価格は年間で約5千円~1万5千円ほどです。なお、首都圏に近く、好立地の民営墓地ほど管理料が高くなります。
・室内墓地の場合
室内墓地とは、屋内施設に遺骨を納めて供養する納骨堂や合祀墓などです。管理料の相場価格は年間で0円~約1万円と最も安く、お墓を建てた後の維持・管理にかかる手間や費用を削減できることから近年人気を集めています。
お墓参りの費用
お墓参りにはお花やお香などのお供え物を持参するのが基本的なマナーです。ここでは、お墓参りに必要なものと費用相場について解説していきます。
・お供え物
宗派によって多少の違いはあるものの、お墓参りの際には花を手向けて香を炊くなどして供養をするのが一般的な作法です。お供え物の基本は、「香」「花」「灯燭」「浄水」「飲食(おんじき)」の「五供」です。五供は持参するか現地調達するか事前に決めておき、線香や蝋燭に火をつけるのに必要なライターも忘れずに持参します。
お供え物は、故人が好きだった食べ物や飲み物、旬の食べ物を供えますが、肉や魚は殺生を連想させるものなので避けましょう。お供えしたものは、そのまま放置してしまうと動物等を墓地に寄せ付ける原因となってしまいます。帰宅時に必ず持ち帰るようにしましょう。
・交通費
お墓参りの時期は決められてはいませんが、一般的なお墓参りの時期とされているお盆やお彼岸、年末にお参りしたとすると年間で計4回の交通費が必要になります。車で墓地や霊園に行ける距離に住んでいれば大きな出費とはなりませんが、新幹線や飛行機での移動が必要な遠方に住んでいる場合はお墓参りの度に多額の交通費が出費となります。
交通費が負担でお墓参りの機会が減ってしまう場合は、遠方にあるお墓を現在の居住地近くのお墓や納骨堂に移すことを検討してみるのもよいでしょう。
お墓のクリーニング、修繕費
墓石は頑丈な石材で作られてはいますが、風雨に晒される屋外にある以上、劣化は避けられません。お墓参りの掃除の際に傷を見つけたり、目地の部分にカビやシミが発生していたりするのを確認した場合は、修繕やクリーニングを行う必要があります。
お墓のクリーニング・修繕は劣化具合や区画の面積、立地条件に大きく左右されますが、作業ごとの費用相場は以下のとおりです。
目地補修:3万円~5万円
石塔の一時撤去など:6万円~10万円
植木の解体など:5千円~2万円
付属品(香炉皿交換・灯篭・地蔵など):5千円~20万円前後
また、修繕やクリーニングで対応しきれない程劣化がひどい場合は、お墓の建て替えが必要です。お墓の建て替えではお墓の撤去・処分費用、墓石代、彫刻代などがかかります。
檀家と費用
寺院にお墓を建てる場合は、管理料としての護持会費とお布施以外にも、いくつかのお布施が求められます。これは、檀家となって葬儀や供養など法事・法要全般をそのお寺に任せすることになり、お布施で経済的に支援をする必要があるためです。
入檀料は檀家となるための初期費用にあたるもので、宗派や地方によって異なりますが相場価格は約10万円~30万円です。
その他にも、月命日の読経や各法事などでお礼の気持ちとしてお布施をお渡しすることがあります。また、お寺の修繕・改修の際は、負担する義務はないものの寄付が求められます。
お墓の維持費を払うのは誰?
維持費を払うのは永代使用権の所持者です。永代使用権とは、お墓を建てる区画を使用するための権利のことです。この権利は名義人が亡くなると、墓地・墓石・仏壇など祭祀に関係する祭祀財産と共に特定の人物に相続しなければなりません。これらを相続した人物を「承継者」といいます。承継者は故人に代わってお墓の維持に努めるだけでなく、お墓の維持費も支払う必要があります。
なお、祭祀財産は古くから名義人の長男が承継するものとされてきましたが、慣習的なものであり法律で定められたものではありません。承継者となる人物は、名義人が遺言や生前に口頭や文章で指定された人物が優先され、次に家族や親族の慣習、それでも承継者が決まらない時は裁判の審判で決められます。そのため、姪や甥、さらには血縁関係のない第三者であっても承継は可能です。
しかし、使用権を取得する契約には「3親等まで」や「名義人の血縁関係」といったように承継できる人物が定められている場合があります。こうした条件が定められている墓地や霊園では、原則的に名義人の友人や内縁の妻といった第三者を承継者とすることはできません。
お墓の維持費を払わないとどうなる?
お墓が承継されず管理料の支払いが滞ってしまうと、最悪の場合はお墓が撤去・解体されてしまいます。
3年以上管理料の支払いを滞納すると故人名が官報に掲載され、墓地の区画内には立て看板で1年以内に管理料を納めるように催告が行われます。ここから1年以内に申し出がなかった場合、墓地の管理者は墳墓法に基づきお墓を撤去・解体できます。撤去後に残された遺骨は合祀墓へ納骨されるため、後から遺骨を取り出したいと思っても取り出すことが不可能となってしまいます。
その後、区画からは墓石が撤去されて更地として売り出されます。「先祖代々受け継いできたお墓が知らないうちになくなってしまっていた」ということが起きないように、祭祀財産の承継や管理料の支払いに関することはしっかり話し合いをしておく必要があります。
また、管理料は民事債権に該当するため、お墓が撤去された後でも10年間にわたり支払いの義務が継続して発生します。くれぐれも管理料の滞納が起きるような状況を作らないようにしましょう。
維持費の負担を軽減する方法とは?
昨今は、「維持にまつわる費用を少しでも抑えたい」「維持の負担を軽減したい」というニーズから、承継が必要なお墓を建てない供養方法を選択するケースも増加しています。ここからは、維持費の負担を軽減できる供養方法についてご紹介します。
永代供養への切り替え
永代供養は家族や親族に代わって墓地の管理者が遺骨を管理して供養するものです。承継者不在問題や、お墓が遠方にあるために維持・管理が難しいなどの問題を解決する手段のひとつとして、2000年頃から徐々に広まってきました。また、お墓を新しく建てるよりも費用を抑えられることから、お墓にまつわる費用を少しでも抑えたいという場合にも選ばれる供養方法です。
永代供養の場合、継続的な管理料は発生しないことが多く、管理料は初回に一括で支払う永代供養料に含まれています。しかし、一部の施設では年間5千円~程度の管理料を納める必要があるケースもあるため、契約する前に管理料の有無を確認しておきましょう。
改葬
寺院墓地にお墓を持っていて、護持会費や年間法要などのお布施が家計の負担になっているであれば、管理料が安い公営墓地に改葬を行い、経済的な負担を軽減するのも1つの手段です。
ただし、改葬は申請と許可が必要な行政手続きなので、許可を得ずに埋葬されている遺骨を取り出して新たな墓地に埋葬することは法律によって禁じられています。改葬する際は、現在のお墓があるお寺(菩提寺)に改葬したい旨を伝えましょう。
お寺にあるお墓をなくすことは檀家を辞めることを意味しており、一般的には「離檀料」が発生します。離檀料の相場価格は約3万円~20万円とされ、加えて改葬にかかる費用として閉眼供養・開眼供養のお布施といった費用が発生します。
墓じまい
承継を必要とするお墓を撤去・処分して、墓標を必要としない供養方法に切り替えることを「墓じまい」と呼びます。
墓じまいを親族に相談なく進めてしまうと、トラブルの元になりかねません。必ず親族の理解を得てから行うようにしましょう。
墓じまいの費用としては離檀料の他、お墓の撤去費用、閉眼供養のお布施、埋葬証明書・受入証明書の発行手数料などが発生します。
まとめ
お墓の維持費は、墓地の運営母体や供養方法によって大きく異なります。そのため、現在の維持費の負担が大きいと感じている方は、改葬や永代供養を選ぶことで維持費を抑えられる可能性があります。
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