お墓の数え方とは?墓地や石材の単位やサイズをご紹介
2020年12月17日
お墓は、亡くなった人を埋葬する厳かな場所です。そして、今を生きる私たちが、故人をはじめとするご先祖様に語りかけることで、精神的なつながりを実感できる貴重な祈りの空間でもあります。
今回はお墓の数え方など、お墓に関する単位について解説します。お墓を建てる際のさまざまな手続きやお墓参りなどでも役立つ知識ですので、きちんと確認しておきましょう。
お墓の数え方
まずはお墓の数え方について、その単位や意味をご紹介していきます。
お墓の単位
お墓の単位は「基」という助数詞で表され、「1基、2基、3基…」というように数えていきます。形を成しているでき上がったお墓だけでなく、組み立てられる前の墓石であっても「基」で数えます。また、西日本を中心に各地にみられる古墳やエジプトのピラミッドなどのような巨大なお墓や、逆に道端にひっそりと残された小さな塚であっても、これらすべてに「基」という単位を当てて使います。
お墓の単位の意味
では、なぜお墓の単位に「基」という助数詞が使われるのでしょうか。
お墓と同様に「基」が当てられるものとしては、たとえば、エレベーター、公園のベンチ、信号機、モニュメントやタワー、灯台、ダム、原子力発電所などが挙げられるでしょう。
街中やニュースなどでしばしば目にするこれらの物は、一見すると大きさや形はもちろん、用途もさまざまです。しかし、いずれも地面や建物の上に直接築かれるか、据え付けられているという点では共通していることが分かります。
実は、「基」という字には「基礎や土台」、あるいは「物事がそれによって成り立つ所」という意味があります。つまり、「基」は、それが容易には動かされることのない物や事柄であることを表しているのです。
お墓もまた、一般的に土台がしっかりとその土地に据えられていて、人の手では簡単に動かすことが難しい構造物なので、「基」が使われているという訳です。
石材の数え方
お墓を建てることになったら、まずは場所を、そして次に墓石を選ぶことになるでしょう。墓石は、大切な空間であるお墓の雰囲気を形作る上で欠かせない部材です。ここからは、墓石に使われる石材の数え方や単位を解説していきます。
容積を表す単位
石材店では、墓石の容積を表す単位は「才(さい)」を使うのが一般的です。「切」の字で表記されることもあります。「才」は石の大きさを表すときに使われる単位で、わが国古来の度量衡法である「尺貫法」に基づきます。
1辺が1尺(約30cm)の立方体を「1才」と呼び、1才の立方体を何個分使うのかを算出して墓石に充てる石材の容積を測ります。したがって、10才の墓石であれば、1辺が1尺の立方体を10個使用した大きさであることが分かります。ちなみに、1才の重さは、石の種類にもよりますがおよそ70kg~80kgです。
なお、実際にお墓の価格を計算する時には、「才」の総数である「総才数」を基にした「才単価制」を用います。したがって、総才数が多いほどたくさんの石材が使われたお墓だということになり、石材が変わらなければ価格も高くなることになります。
幅を表す単位
一方、墓石の幅は、「寸」または「尺」で表されます。
和型墓石では、「寸」か「尺」によって棹石、すなわち「○○家之墓」と刻まれた墓石の幅を測ります。1寸は1尺の1/10で約3cmですから、一般的なサイズである「8寸」の和型墓石であればおよそ24cm、「9寸」の場合は約27cmの幅であることが分かります。「1尺」サイズであれば、もちろん幅約30cmの墓石ということになるでしょう。
なお、墓石は棹石の幅を基にして全体の寸法のバランスが取られます。したがって、棹石の幅が広ければ墓石全体も大きなものとなります。
墓石の平均的な大きさ
前述したように、和型墓石のサイズは、「8寸」「9寸」「1尺」の3タイプが一般的です。もちろん、どのタイプを選んでも基本的には問題ありません。ただし、以下の2つの点は踏まえておきましょう。
・地域差
まず、地域により墓石の標準サイズが異なります。9寸が一般的である東日本に対して、西日本では1回り小さい8寸がスタンダードであると言われます。そして、大きな墓石でお墓を建てる習慣がある地域では、1尺が平均的な大きさであることも珍しくありません。
もちろん、ルールとして厳格に決められている訳ではありませんが、周囲とあまりにも大きさが異なると、不自然に目立つことは避けられません。そのため、地域の実情に合わせることをおすすめします。
・区画の広さとのバランス
また、墓石の大きさは、墓所の面積に応じて決められるのが一般的です。広い墓所区画に極端に小さな墓石が置かれてあるのは見た目のバランスが良くないですし、逆に狭い区画に大きな墓石を据えるのは大変であるためです。実際には、2㎡の墓所区画には8寸が、3㎡区画には8~9寸が、よりワイドな4㎡区画では9~10寸の墓石にすることが多くなっています。
ちなみに、墓所区画の広さに関しては、墓地や霊園であらかじめ決められていることが多く、地域などにより平均的な大きさが異なってくるのが通常です。したがって、購入を考えている墓地・霊園の1区画の面積を事前に確認しておくことで、墓石のふさわしい大きさも把握できるでしょう。
墓地の数え方
では、墓地の数え方については、どのようになっているのでしょうか。お寺や霊園にはいくつもの分譲地があり、墓地となる敷地の永代使用権を取得して初めてその上にお墓を建てることができるようになります。
墓地の単位
まず、お寺や霊園で割り振られる墓地の敷地の1つ1つ、すなわち使用単位については、「区画」と表現します。
区画は単に敷地を指すだけでなく、建てられた墓地の所在地を示す、言うなればお墓の住所としての役割を果たすものでもあります。ちなみに、家やマンションの分譲地と同様に墓地に関しても、購入できる区画には限りがあり、その時点で空いている所に限られることになります。
そして、霊園によってはいくつかのタイプの区画が用意されているので、実際にお墓参りするときを想像したり、手入れのしやすさを考えたりしながら、ご家族にふさわしいタイプを選ぶとよいでしょう。
最も一般的なのが「一般墓地」と呼ばれる、1つ1つのお墓の境界がはっきりしたタイプの区画です。ただ、近年では隣の家のお墓との間隔を広く持たせた「ゆとり墓地」と呼ばれるタイプや、芝が植えられていたり、花や樹木で彩られていたりする「ガーデニング墓地」なども増えてきています。お墓を明るく、楽しい雰囲気にしたい向きにはおすすめです。
墓地の広さを表す単位
区画の広さは、一般的には㎡(平方メートル、平米)で表すのが基本ですが、関東では「坪」で表示されることもあります。ただし、墓地区画の1坪は、「三尺四方」と呼ばれる一辺約90㎝の正方形のことを指します。1坪=0.9m×0.9m=約0.81㎡ですから、畳半分位の広さになります。不動産関係で使われる1坪=3.3㎡と比較するとおよそ1/4になるので、注意が必要です。
また、特に関西で使われることが多いのが、「聖地」や「霊地」と呼ばれる単位です。聖地の広さは、墓地区画の1坪と同じですから、およそ0.81㎡になります。一方の霊地は、1霊地=約1㎡(約1m四方)の広さです。
一般的には㎡で十分通用すると考えて間違いありませんが、坪や聖地、あるいは霊地で区画が売りに出されている場合には、よく確認しておくとよいでしょう。
墓地の平均的な面積
墓地区画の面積の全国平均は、約1㎡〜2㎡未満、実際には1.5㎡にも満たないと言われます。坪数で表すと1.85坪未満ということになり、先ほどの区画の縮小化傾向が裏付けられます。また、この数字は、都会の混雑した墓地・霊園を眺めた時の実感とさほど異ならないものであるとも言えるでしょう。
しかし、地域別だと、かなりのばらつきがみられるのも事実です。まず関西の方が関東に比べると、概ね広めであることが分かります。
そして、たとえば、東京都内であれば、2㎡未満区画、特に1㎡の人気が高く、中には0.6㎡といった小さな区画が設定された霊園もすぐに見つかります。他方では、人口密度が低い地方などでは、最低で3㎡~といったことも珍しくなく、5㎡以上の区画で販売されていることもあります。周囲と調和した広さにしたい場合には、実際に霊園を訪れてチェックしておきましょう。
なお、土地代である永代使用料が区画の広さに比例しないのは、一般の土地購入の場合と同様です。したがって、地方のゆったりとした5㎡の区画よりも都内の1㎡程度の区画の方が高いということも珍しくありません。
遺骨の数え方
続いて、遺骨や骨壷の数え方を解説します。
まず、遺骨については、「柱」で数えます。これは、神様を「一柱」「二柱」という風に数える神道から来ているとされています。ちなみに、柱とされたのは、山が多く古来より神々が存在する場所として崇められてきた森において、特に木には魂が宿っていると考えられ、大切にされてきたからなようです。日本では死者を神格化する習慣がありますから、遺骨にも柱をつけて数えるというわけです。
一方の骨壷は、普通は「個」で数えても全く問題ありません。ただし、鍋や壺などを数えるときに使う語である「一口(いっく・いっこう)」が正式な呼び方とされているようですから、こちらを用いた方が間違いがありません。
仏壇の数え方
仏壇は、仏様になった先祖の位牌を納めて、毎日お参りするための家庭にある小さなお寺です。仏壇にまつわる数え方についてご紹介します。
仏壇の単位
仏壇はご先祖様のお家であり、仏様をお祀りする神聖な場所ですから、お墓と同じく「基」で数えます。「物事がそれによって成り立つ(大事な)所」という基に込められた意味からしても、ふさわしい単位と言えるでしょう。
なお、仏壇に一般的なサイズというものはなく、安置する場所に合ったサイズにするのがよいこと、また、サイズの単位には、「号」、「尺」、「代」の3種類があることも知っておくとよいでしょう。
位牌の単位
仏壇に納める位牌については、「柱」で数えます。位牌は、亡くなった人の霊が宿る場所であり、遺族が故人の魂に触れ供養する対象です。そのため、魂が宿っているとされ、神様と同じく柱で数える遺骨と同様の単位となっているのです。
お供えする花の数え方
お墓にお供えするお花は、「対」で数えます。お花を墓石の両脇に生けることから来ています。したがって、お供えするのは、2つの供花をセットにした「一対」の花ということになります。
なお、一対の供花ではなく、1つの花籠でお供えする場合には「基」が使われ、「一基」と数えます。
まとめ
この記事では、お墓にまつわるさまざまな数え方や単位、さらには墓地や墓石の平均的なサイズについてご紹介してきました。中には「区画」のように普段聞き慣れている語もありますが、あまり知られていない数え方・単位もあったのではないでしょうか。
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