お墓のデザインに流行はあるの?使用できる石材や注文方法も解説

2021年1月27日

近年、最期を迎える準備である「終活」の考えが広まったことで、6割以上の方が生前にお墓を選ぶと言われています。お墓に対する考え方も、子孫に承継しないお墓や、個性的を表したお墓など、時代に合わせて変化してきました。
今回は、「自分で建てるのならば、好きなデザインを選びたい」「他とは少し違ったお墓に興味がある」という方に向け、お墓のデザインや石の種類だけではなく、注文方法や注意点などを解説していきます。




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お墓の形や彫刻で個性を出す


生前に自分のお墓を建てることを「寿陵(じゅりょう)」と言います。不幸があり、お墓を建てる場合とは異なり、生前にお墓を建てることは、長寿を招くと古来より吉事とされています。
お墓は先祖代々受け継がれるものと考えられてきましたが、近年では、個人や夫婦のお墓を建てる方も増えました。お墓に対する意識の変化は、墓石のデザインにも影響し、個性的なデザインで、自分を表現する方も増えてきました。



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地域や時代によってお墓のデザインは違う


お墓は地域の気候風土や民族的な慣習、そして時代に合わせて変化してきました。ここでは、時代や地域によってお墓のデザインがどのように異なるのか解説していきます。

時代による移り変わり

お墓は時代によって、意味合いや形が変化してきました。日本では、縄文時代から故人を埋葬する習慣が生まれたと言われています。縄文時代は、遺体を埋めるのみで、墓石を建てることはありませんでした。弥生時代に、水田稲作農耕が始まると、村落を統括する権力者が現れました。彼らは「権力の象徴」として、土を高く盛った古墳をつくりました。平安時代になると、貴族や身分の高い人の「供養」として五輪塔が建てられました。五輪塔は、お釈迦様の遺骨などを納めたインドの仏塔を基に、日本独自で作られた供養墓です。

庶民の間でお墓が建てられるようになったのは、江戸時代です。江戸時代では「供養」や「故人の標」として、和型墓石が個人ごとに建てられるようになりました。しかし、当時はまだ土葬だったので、埋葬された遺体自体は、あまり顧みられませんでした。そのため、寺院が移転しても、遺体はそのまま、墓石だけ移動させることも多かったそうです。

現代のように、誰でも気兼ねなく建てられるようになったのは、昭和30年代の高度経済成長期以降です。地方から都市部に移ってきた人が、故郷のお墓とは別に建てるようになり、各地に霊園や墓地が整備され、故人やご先祖様のためにお墓を建てることが慣習化しました。そして、核家族が増えると、核家族ごとにお墓を建てるようになり、近年では、お墓を承継しない個人墓や夫婦墓も増えてきました。

地域による違い

お墓は地域によって、色や形が異なります。例えば、お墓の色は、その地域で採れる石によって変わります。一般的には、関東より西側では白系統、北側は黒系統が多いです。特に、東北地方では黒系統の石が多く採れるため、墓石の65%以上が黒色で、地域によっては99%黒色です。
また、お墓の形は、納骨の形式や骨壺の大きさで異なります。関西から中部にかけては、遺骨を土に還す納骨方法のため、骨壺のまま納骨する地域に比べ、お墓が小さい傾向があります。



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お墓のデザイン


お墓の形は、大きく3種類に分けられます。昔ながらのなじみ深い伝統的な「和型墓石」、欧州風のモダンなデザインの「洋型墓石」、ユニーク形で、好きな文字を刻める「デザイン墓石」です。

新しくお墓を購入した方を対象に行った『全優石お墓購入者アンケート調査』(2019年版)によると、建てたお墓のデザインは、「洋型墓石」48.6%、「和型墓石」32.4%、「デザイン墓石」12.9%となり、洋型墓石が1番人気です。

和型墓石

江戸時代中期から庶民が建てるようになった角型で縦に長い和型墓石。現在でも根強い人気で、私たちが一番目にする機会が多い墓石です。

一般的には、石が三段に積み重なっており、下から「中台」「上台」と重ね、一番上に「竿石」を置きます。竿石には「〇〇家之墓」「先祖代々墓」など刻まれることが多いです。それぞれに願いや意味が込められており、一番上の竿石は、健康や家庭円満を表す「天」、上台石は家業や事業繁栄を表す「人」、中台石は財産安定を表す「地」です。最近は、地面についている「下台石(芝台)」も含めた四段が主流になっています。

和型墓石は、北陸、近畿、中国、四国で人気が高いです。京都を中心とし、近畿はお寺との付き合いが盛んなため、和型墓石の割合が高いです。また、関東に比べ墓地面積が若干狭く、面積を取らない縦長の和型墓石の方が建てやすいことも理由の1つです。また、瀬戸内海沿岸は墓石の産地として有名なこともあり、昔ながらの和型墓石が好まれています。

洋型墓石

高度経済成長期以降に出現した、横に長く高さが低い洋型墓石。すっきりしたデザインは、ガーデニング霊園や西洋風霊園の雰囲気とも合い、近年人気の高い墓石です。

洋型墓石は、下台と竿石の間に中台などを挟む洋型二段・洋型三段が一般的です。洋型墓石の最大の特徴は、形や文字に決まりがなく、好きな形や言葉を彫刻できることです。また、和型に比べると使用する石量が少ないため、費用をおさえることも特徴の1つです。

洋型墓石は、東北から関東にかけて特に人気です。都市部に西洋式庭園をモチーフに作られたガーデニング霊園が増えたことや、背の高い和型墓石に比べ、地震倒壊する危険性が低いことなどが理由と考えられます。

デザイン墓石

洋型よりも、さらにデザイン性が高いく、自分の好きな形に作られたデザイン墓石。従来のご先祖様を代々供養する意味合いよりも、「生きた証」の記念碑的な意味合いで作られることが多いです。

デザイン墓石は、和型でも洋型でもない、各石材店が独自に開発した墓石です。石材店の既製デザインだけではなく、形や文字、書体など、全てオーダーメイドで作ることもできます。

人生の総仕上げとして、自分らしい墓石を建てたいと考える方に人気です。先祖代々のお墓ではなく、一代の墓として考えるため、石だけではなく、ガラスと組み合わせるなど、さらにデザイン性に富んだお墓もあります。



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お墓に使える石材

Stone carver working on gravestone with compressed air chisel[/caption]

お墓に適した石の条件は「硬いこと」「水を吸いにくいこと」「長持ちすること」で、墓石に使われる石は、国内外300以上の種類があります。取れる産地により、石の色や耐久性が異なり、その土地に合った石材を墓石として使用することが多いです。

最も多いのが御影石(花崗岩)

お墓に使用する石の多くが、御影石(みかげいし)と呼ばれる花崗岩です。その他に、安山岩や凝灰岩など、硬く風化しにくい石が使用されます。

御影石は、地下のマグマが地殻内の深い場所で、冷え固まりできた石です。硬く風化に強い耐久性の高さと、他の石に比べ水の吸収率が低いことが特徴です。また、石を生成する鉱物の混ざり方が一定ではないため、同じ御影石でも、様々な色や模様の石が採れます。日本ではお墓以外にも、石の鳥居や、国会議事堂、迎賓館といった建物にも使用されています。

御影石の種類

同じ御影石でも、採れる場所により、硬度が異なります。一昔前までは、生まれた土地や、お墓を建てる地域で採れた日本産の御影石を使うことが一般的でした。現在は日本での採石量が減り、値段も安価な外国産が主流となっています。そのため、墓石として使用されている御影石の8割以上が輸入品です。

・日本産
日本は温暖の差が激しく、夏は高温多湿、冬は寒さが厳しく乾燥します。日本産の石材は、このような日本の気候で、古くから使用され、何百年にも渡りお墓として保ち続けている実績があります。値段は外国産に比べ比較的高めですが、耐久性と吸水性共に墓石として最適です。

東日本で有名な御影石は、福島県の浮金石(うきがねいし)や茨城県の真壁石(まかべいし)です。福島県の浮金石は、金箔や白い斑が混ざった日本を代表する黒御影石です。茨城県の真壁石は、500年ほど前から墓石として使用されはじめ、関東で建てられる墓の多くが、この真壁石です。墓石だけではなく、灯籠やお地蔵さま、日本銀行などさまざまなものに用いられています。硬質で耐久性に優れており、吸水率が低いのはもちろん、国内産の中でも採石量が多く、手頃な価格で手に入ることも人気理由の1つです。

西日本で有名な御影石は、香川県の庵治石(あじいし)、岡山県の万成石(まんなりいし)、愛媛県の大島石(おおしまいし)が有名です。香川県の庵治石は、原石から1~2%しか取れない希少性の高い石で、「御影石のダイヤモンド」とも呼ばれ、世界でも高い評価を得ています。岡山県の万成石(まんなりいし)は、柔らかなピンクやベージュが混じった桜御影石です。愛媛県の大島石(おおしまいし)は、青みがかった目合いの青御影石で、西日本では古くから愛され、現在でも人気が高いです。

・中国産
中国産の特徴は、とにかくコストパフォーマンスが高いことです。中国は採石量が多いため、ほとんどの石材が日本産に比べ、低価格で購入できます。価格に対し、品質も良いため、特に、コストパフォーマンスを重視する方に人気が高いです。

中国では、特に福建省での採石量が多く、「G654(ジーロクゴーヨン)」は、青御影石の中でも定番とされる石です。その他にも、黒龍江省や山西省、山東省なども産地として有名です。中国産の石は、どこで採石されたのか判るように、省ごとで定められた「G101」「G654」など、英数字の別名を持っていることが多いです。

・インド産
インド産の特徴は、どの石も耐久性が高いことです。インドは墓石加工の歴史が長く、黒御影石の種類が非常に豊富です。インド産の黒御影石は、研磨すると強い輝きを放ち、輝きが持続しやすいです。

インドの黒御影石の中で、特に評価が高く有名なのが「クンナム」です。インドを代表するブランド石で、非常に硬質で変色などの経年劣化が少なく、艶が保たれるため「永遠の黒」とも呼ばれています。また、白御影石で有名なのはグレーに少し緑がかった「アーバングレー」です。古くから墓石として用いられ、品質に適したお手頃な価格で購入することができます。

彫刻に向いている石

日本では墓石として、御影石を用いることが一般的ですが、海外では大理石を用いることが多いです。海外では、お墓に細かい彫刻を施すため、柔らかく加工がしやすい大理石が好まれます。

大理石は御影石に比べ、柔らかく加工しやすい一方、酸に弱く吸水性が高い性質を持ちます。そのため、雨風に当たると劣化が早く、汚れが付きやすいです。日本は、先祖代々受け継がれるお墓が劣化すること嫌うので、加工しやすい大理石よりも、耐久性に優れた御影石を使うことが多いです。



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墓石の加工


墓石の加工は各石材店によって、仕上がりが異なります。特に球体や曲線の加工には特殊な技術が必要で、使用する石材の量も多いです。

球体や曲線には特殊技術が必要

石材の加工には、切断用カッターや、研磨用グラインダーを使用することが一般的です。そのため、石材の加工機械は、原則的に垂直方向に切断し、水平方向に研磨することしかできません。
丸みを帯びたデザインは、角ばったお墓よりも、優しく柔らかな印象を与えます。しかし、球体や曲線加工は、一度四角に切断した後、職人が角を削り、丸みを作るので、熟練した技術が必要です。

石材のロス分も費用に含まれる

球体や曲線、モチーフなど、特徴的なデザイン墓石を作る場合、石材のロス分も費用に含まれます。デザイン墓を作る際は、四角く加工した石をさらに削って作るので、そぎ落とされたロス分も、石材の費用として含まれます。



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個性的なお墓の注文方法


デザイン墓石は洋型墓石以上に個性が出るため、建てる前の段取りがとても重要です。親族はもちろん、霊園や石材店など、関わる全ての方に、詳しく説明しましょう。複雑なデザインは石材店の技量により、完成度に大きな差が出ます。

希望するイメージを共有する

まずは、どのようなデザイン墓石にしたいか方向性を決めます。デザイン墓石は、制作可能な石材店が限られているので、方向性が決まったら、石材店のパンフレットを集めたり、展示場を巡ったりするなどし、石材店を決めましょう。

石材店で、デザインや石材の種類、彫刻する文字などを打合せします。デザイン墓石は、自分の頭の中のイメージを形にするので、大まかな説明では、相手に理解してもらえません。自分がどのような想いで、どのようなお墓を建てたいのか、デザインだけではなく、気持ちもしっかり、伝えましょう。

石材店では、墓地を計測し、お花やお線香を置くスペースなどの機能面も考慮したアドバイスを受けることができます。可能であれば、石の加工を始める前に、3D画像などを作成してもらい、家族と一緒に完成形を確認しましょう。

彫刻をデザインするときの注意点

彫刻をデザインする際は、その石の特性を考慮しなくてはなりません。石は細かな粒子が集まってできています。そのため、細い線で描かれた文字や絵を彫刻で再現することが困難です。また、御影石はとても硬いですが、衝撃に弱い部分があります。角度を付けた鋭利なデザインは、破損する可能性が高くいため、避けた方が良いでしょう。

墓石は営利目的ではなく、私的に所有するものです。しかし、墓地や霊園では不特定多数の目に触れるため、著作権などの知的財産権に注意しましょう。小説の言葉、歌詞、書道家の作品などをどうしても使用したい場合は、必ず許諾を取りましょう。



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個性的なお墓の注意点


デザイン墓石は自由度が高く、好きな形や言葉でオリジナル墓石を作ることができます。しかし、オリジナルであるがゆえに、注意点がいくつかあります。

費用が高いことが多い

墓石の費用は「どの石をどれだけ使うか」で変わります。そのため、複雑なデザインは、加工費やデザイン料がかかり、割高になることがあります。

難易度の高い加工技術は手間と時間がかかるので、比例して費用も高くなります。また、デザインにこだわる方は、石の種類や風合にもこだわる傾向があります。風合いの良い石は、品質も良く、希少性が高いため、石材費が高くなりがちです。

飽きる可能性がある

お墓は世代を超えて、先祖代々受け継がれます。デザインや言葉には流行があり、子孫がそのデザインを好むかどうか分かりません。デザイン墓石を建てる際は、家族で相談し、自分だけではなく、周りにも納得してもらえるデザインや言葉を選びましょう。



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まとめ


お墓は、その時代のスタイルに合わせて進化してきました。少し前までは、和型墓石が一般的でしたが、近年では洋型墓石やデザイン墓石の人気も高まっています。

中でもデザイン性の高い墓石は、石材店の技量に左右されるため、全ての石材店で扱えるわけではありません。石材店を選ぶ際は、腕はもちろん、親身になって相談に乗ってくれる店を探す必要があります。

石材店を選ばれる際は、ぜひ千葉県でナンバーワンの実績を誇る和泉家石材店をご検討ください。和泉家石材店は石の目利きや加工技術はもちろん、サービスにおいても、一級品と認定され、省庁や上場企業からも指定店に選んでいただいております。また、全スタッフがお墓検定1級・2級を取得しており、末代にまで受け継がれる一生モノのお墓作りをサポートさせていただきます。



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「心のかようお墓づくり」

和泉家石材店のスタッフはお墓を建てる時、そして そこから始まるおつきあいを気持ちよく、末永くさせていただきたいという気持ちから“心のかようお墓づくり”をテーマに心のこもったサービスの提供とお客様のニーズへの対応に全力で取り組んでいます。お墓を建てる時はもちろんのこと、法事の際などにも独自のサービスを提供しております。

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