お墓の掃除に必要な道具をご紹介!掃除をする際のポイントも!
2021年1月26日
お墓の掃除は、霊園や墓地の管理者ではなく所有者自身が行うものです。お墓の掃除は、外見を綺麗にするだけでなく、お墓そのものの劣化のスピードを抑え、長持ちさせる効果があります。ただし、掃除に必要な道具や掃除の手順について、正しく理解されている方は少ないでしょう。
今回の記事では、お墓の掃除に必要な道具についてご紹介します。また、実際に掃除する際の手順やコツも併せて解説します。
お墓の掃除に必要な道具を紹介
お墓道具の掃除道具には、最低限用意しておくべきものと、あるとより便利に掃除が行えるものがあります。ここでは、それぞれの道具についてご紹介します。
これだけあれば大丈夫
まずは、お墓を掃除するために、最低限用意しておくべきものをご紹介します。
・スポンジ
スポンジは墓石を水洗いする際に使用します。硬い素材は墓石を傷つける可能性があるため、できれば柔らかいメラミンスポンジが望ましいでしょう。
・歯ブラシ
歯ブラシは墓石に刻まれている文字の部分を掃除する際に使います。溝部分はスポンジでは綺麗に洗うことができないため、歯ブラシで水をかけながら洗い流しましょう。歯ブラシの毛先はスポンジの素材同様柔らかいものを選びましょう。
・たわし
たわしは、スポンジでは落とせない頑固な水垢やしつこい汚れを落とす際に使います。墓石の細かい溝も掃除できる専用の商品も販売されています。
ただし、たわしで力強く擦ってしまうと、墓石に目に見えない傷ができ、埃が付着するため、新たな汚れの原因となるため注意が必要です。
・雑巾
雑巾は墓石を拭く際に使用します。水拭きや乾拭きの両方を行いたい場合は、複数枚用意しておくと良いでしょう。
・バケツ
バケツは墓石を掃除するために使う水を運んだり、花立の水を交換したりするのに使用します。基本的には、霊園や墓地で貸し出していることも多いようです。
・ホウキ、チリトリ、ゴミ袋
ほうきやチリトリは、お墓の敷地内に落ちている落ち葉やゴミを集めるために使用します。霊園や墓地にゴミ箱がない場合は、ゴミ袋に入れて持ち帰るようにしましょう。
ほうきやチリトリに関しては、貸し出しを行っている霊園も多いため、事前に確認しておくと良いでしょう。
あると便利な道具
ここまでご紹介した道具でも、充分にお墓の掃除は可能です。ただし、状況に応じて用意しておきたい道具も他にも存在します。ここからは、あるとより便利に掃除が進められる道具をご紹介します。
・スクレーパー
スクレーパーはヘラのような形状の道具で、付着した汚れを削ぎ落したり、削り取ったりする道具です。基本的には、手動タイプが多いですが中には電動タイプもありより強力に汚れが落とせます。墓石表面についた水垢は、スポンジではなかなか落とせませんがスクレーパーを墓石に平行にあてがって擦ると綺麗に落とすことが可能です。
ただし、先端が尖っていて、限りなく平行にあてがわないと墓石を傷つける可能性があるので注意が必要です。
・軍手
軍手は掃除をする際や、周辺の雑草を抜く際に怪我を防止するために使えます。指先を濡らして細かい汚れを落とすことも可能です。
・剪定ばさみ
お墓に木を植えている場合は、定期的な手入れが必要になります。手入れをしなければ、木自体の健康を阻害したり周囲のお墓の迷惑になったりする可能性があります。
剪定ばさみで枝を切り取ることで、樹形を整え、木の健康を保つことができます。剪定ばさみで枝が切れないほど太い枝が生えている場合は、ノコギリを使って切り取りましょう。
お墓が汚れる原因
掃除に必要な道具はご紹介してきた通りですが、そもそもお墓はどうして汚れるのでしょうか。お墓が汚れる原因について解説していきます。
自然についてしまう汚れ
お墓に自然につく汚れには、水垢や黒ずみ、苔、虹ヤケなどが該当します。
・水垢
水垢とは、水道水に含まれるミネラル分が固まってできた汚れです。水自体は、蒸発して消えてしまいますが、ミネラル分がそのまま残って蓄積し、白い輪状の跡が付きます。放っておくと、水垢の部分が花粉や大気中の汚染物質に付着することで赤茶色に変色することがあります。
お墓に付着する水垢を落とすには、クエン酸が効果的です。水垢の主成分はカルシウムであるため、水垢の部分にクエン酸をかけることで、墓石の表面から汚れが剥がれ落ちます。
ただし、石材の中にはクエン酸をかけることで変色するものもあります。墓石の材質を調べたうえで、裏側など目立たないところで試してから使用するようにしましょう。
・黒ずみ(シミ)
黒ずみとは、水垢や苔が原因で墓石が黒ずんでしまうことを指し、カビや墓石の石材に含まれる鉄成分の錆び、墓石の劣化などでも黒ずみが発生します。特に白い墓石は、黒ずみが目立ちやすく、定期的な掃除が必要です。黒ずみは水垢やさびの汚れをこまめに取ることで発生を防げます。
・苔
苔とは、主に地表や岩の上に張りつくように成長する植物です。苔は、胞子が風に飛ばされ適度な水気がある場所に付着すると発芽します。お墓は、天然石でできているので水を含みやすく苔が成長しやすい環境なのです。
苔の掃除は、軍手をはめて手で処理していくのがおすすめです。手でも取り切れない苔は、ブラシを使って水拭きします。特に文字部分の溝は、苔が生えやすいので念入りに水拭きしましょう。水気を残すと新たに苔が生えてしまう可能性が高いため、最後に乾拭きを行い、水気を拭き取るようにしましょう。
・虹ヤケ
虹ヤケとは、主に色味が濃い黒系の御影石に見られ、石の水平面が虹色に見えることから名付けられた現象です。虹ヤケができる原因としては、大気中に含まれる成分が墓石に付着し乱反射することで起こります。
虹ヤケは、見た目はさほど気になるものではありませんが放置しておくと水垢や黒ずみになってしまうのでこまめに掃除するようにしましょう。
墓石の経年劣化
墓石は、石材の種類の違いはあっても、酸性雨や排気ガスなど環境による影響で年月が経つごとに劣化していきます。墓石は劣化すると、色味の変化やツヤがなくなってしまいます。墓石の劣化は、単なる汚れとは異なり掃除をしても綺麗になるものではありません。もし気になるのであれば、専門業者に頼んで墓石を磨いてもらうと良いでしょう。
お供え物が原因の汚れ
お墓参りでは、故人が生前好きだった食べ物や飲み物を供えます。ただし、お供え物をそのまま放置してしまうと動物達に荒らされ墓石に錆びやシミが付く要因となります。以下では、それぞれの汚れについて詳しくご紹介します。
・サビ
お墓にスチール缶でできた缶詰や缶ビールを放置すると、サビが墓石に移ることがあるため、注意が必要です。
・水以外の飲料による変色
墓石には水をかけることが基本ですが、稀に故人が好きだったお酒をかける方もおられます。しかし、墓石にお酒をかけてしまうとシミの原因になるほか、墓石自体を傷める原因となるため控えましょう。
お墓の掃除の手順
お墓は手順通りに掃除することで、効率よく綺麗にすることが可能です。ここからは、お墓掃除の正しい手順についてご紹介します。
正しい手順は下から上
室内を掃除する際は、埃が下に落ちるため上から下にかけて掃除することが多いでしょう。しかし、お墓の掃除は下から上に向かって掃除をしていきます。下界を掃除してから上を清めるという考え方があり、下から上にかけて掃除した後もう一度下を掃除するのが正しいお墓の掃除方法です。
まずは敷地内の掃除
お墓の区画内は霊園や墓地によって広さが異なり、広いほどゴミや雑草が多くなります。お墓は故人にとっての家でもあるので、綺麗にして見栄えを良くしておきましょう。雑草は軍手と鎌を使って取り除きゴミ袋に入れて持ち帰りましょう。
付属品を掃除する
墓石には、花立や水鉢、香炉など様々な付属品が付いています。付属品は、それぞれに適した掃除方法が存在します。
・香炉の掃除の仕方
香炉は、使用し続けると器に入っている灰や線香の燃え残りが固まって、線香が立てられなくなってしまいます。
線香の燃え残りはピンセットを使い、取り除きましょう。固まってしまった灰は、茶こしで振るい、粒度の小さいものだけを残してサラサラの状態にします。茶こしで振るってもすぐ固まってしまう場合は、仏具販売店で灰を購入し、交換すると良いでしょう。使い終わった灰は、可燃ごみとして処分します。
・水鉢や花立の洗い方
水鉢とは、故人へお供えする水を入れる場所です。水鉢は雨水が溜まりやすい場所なので黒ずみができやすく、研磨効果のある重曹や塩素系洗剤で洗うと綺麗になります。ただし、墓石に洗剤などが付着しないようにして洗いましょう。
花立とは、生花を供える際に使用する筒状のものです。素材は、手入れが簡単なステンレスであることが多いようです。花立は水鉢同様に汚れやすいため、柄付きのスポンジを使って底に付着している汚れを落としましょう。
目地の掃除
目地とはお墓の石と石のつなぎ目部分のことを指します。目地周りは、水が溜まりやすく汚れが付着しやすい傾向にあります。汚れを放置すると、つなぎ目部分のコーティングやセメントの耐久度が下がってしまうため、水拭き、乾拭きを行って綺麗にしましょう。掃除する際は、強くこすりすぎてしまうと目地部分が切れてしまうので力加減に注意が必要です。
墓石全体を洗う
墓石全体に付く大まかな汚れを水洗いします。水垢や黒ずみの掃除は、柔らかなメラミンスポンジを使いましょう。ただし、砂埃を事前に洗い流しておかないと墓石に小さな傷がつきます。また、洗剤も墓石にシミが付く可能性があるため極力使用は控えましょう。
墓石を拭きあげる
掃除の仕上げは墓石の水気を取ることです。水気が残ったままだとカビや苔の発生、大気中の埃が付着しやすくなります。水気を取るには、吸水性に特化したマイクロファイバータオルがおすすめです。
お墓の掃除のポイント
お墓掃除のポイントを理解して掃除を行うことで、お墓をきれいに保ち、墓石を長持ちさせることができます。ここからは、お墓掃除で覚えておくべきコツについてご紹介します。
ついた汚れはすぐに落とす
お墓掃除は定期的に行うことが重要です。墓石に付着した汚れは、蓄積し徐々に落ちにくくなってしまいます。水洗いで落ちるうちにこまめに掃除することで、綺麗に保つことが可能です。
硬いもので強くこすりすぎない
墓石の水洗いは基本的にスポンジや雑巾で行いますが、頑固な汚れにはたわしを使うこともあるでしょう。しかし、たわしでの掃除は墓石が傷ついてしまったり、コーティングが剥がれてしまったりする恐れがあります。特に金属のたわしは、傷の中に金属繊維が入り込みやすく、錆びの原因となります。たわしやブラシを使う際は、力加減に気を付けて掃除しましょう。
家庭用洗剤は使用しない
家庭用洗剤は墓石内部に浸透してシミの原因になるため、お墓の掃除に使用することは控えましょう。また、墓石専用洗剤を使用しても、石材の種類によってお墓を傷める可能性があります。使用前に墓石に影響がないかを自身で調べるか石材店に相談しましょう。
雑草対策は玉砂利を使用する
定期的に草むしりをするのは大変です。雑草が生えないようにするためには、玉砂利を敷くのが有効です。玉砂利とは、普通の石とは異なり丸く加工されている石です。玉砂利を敷いても生えてくる場合は、より厚く敷いて隙間を塞ぐと良いでしょう。
また、除草剤を撒くという手段もありますが、周囲の草木や人体に影響が出る可能性が高いため、霊園や墓地の管理者に確認を取ってから行いましょう。
素人では難しい汚れは掃除業者に
どうしてもお墓の汚れが取れない場合は、専門業者に依頼しましょう。水洗いでは落ちない水垢や黒ずみといった汚れを、専用の機器を使用して落としてくれます。
また、お墓掃除に行く機会が取れない場合にお墓掃除を代行してくれるサービスや、墓石を磨いて綺麗にしてくれるサービスも存在します。
まとめ
今回の記事ではお墓掃除に必要な道具や掃除する手順とコツについてご紹介しました。屋外にある以上、環境の影響や劣化などによってお墓に汚れが付着するのは避けられません。傷やシミを作らないためにも、こまめに掃除を行うことが何より大切です。どうしても汚れが取れない場合は、お墓掃除の専門業者に依頼すると良いでしょう。
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