お墓でやってはいけないこととは?迷信と言われているタブーもご紹介
2020年12月19日
お墓の掃除やお墓参りにはマナーやルールが存在します。お墓に関するやってはいけないことを知らないままでいると、恥ずかしい思いをしたり、トラブルの元になったりします。
この記事では、お墓の掃除、お墓参り、その他の場合にお墓でやってはいけないことを解説していきます。
お墓の掃除でやってはいけないこと
お墓の掃除はお墓を末代までつないでいくためにひつようなメンテナンスです。ここでは、お墓の掃除の際にやってはいけないことを解説します。
ゴミを片付けない
当然のことながら、お墓は個人の持ち物ではありません。近隣のお墓の持ち主とトラブルにならないように、お寺や霊園のルールやマナーを守る必要があります。
特に、お墓の掃除で出たゴミはなるべく持ち帰るのがマナーです。お寺や霊園にお墓参りの際に出たゴミの集積所があれば、そこに捨てても良いですが、大量のゴミを捨てると他の人が使うことができなくなってしまいます。
また、お墓のゴミの集積所にゴミがあふれかえっているのは景観上良くありません。お寺や霊園を使う人の気持ちを考え、お墓の掃除の際に出たゴミは、できる限りビニール袋などに入れて持ち帰りましょう。
墓石を傷つける
お墓を掃除する際、墓石に汚れが付いていると気になって綺麗にしたくなるものです。その際、たわしを使ってごしごし磨くのは墓石のコーティングをはがし、傷つけてしまうことにつながるため、控えるのが無難です。墓石の文字が刻まれている部分も、たわしで磨くと、墓石が欠けてしまうため、歯ブラシなどで汚れを落としましょう。
また、墓石は水洗いをするのが原則です。酸性、塩素系などに限らず家庭用洗剤は使ってはいけません。家庭用洗剤は墓石の表面にある細孔という小さな隙間に入り込み、墓石を劣化させ、シミを作り、変色させる原因になるためです。
墓石用の洗剤がホームセンター等で販売されていることもありますが、墓石の石材の種類や汚れの種類によって、最適な洗剤が異なります。強い効果のある洗剤は墓石にダメージを与えるリスクが高く、刺激が弱い洗剤でも墓石を傷めるリスクが無いわけではないので、洗剤を使用せず水洗いだけにしても良いでしょう。
水洗いを行う際はきれいな水を使用することも重要です。墓石は水を吸収する材質を使用しているものが多く、汚れた水を使用すると汚れを吸収してしまい、洗ってもとれなくなる可能性があるためです。
さらに、石と石がぶつからないようにすることも必要です。お墓を掃除する際は香炉や花立など動かせる石を動かすこともありますが、このとき石同士がぶつかると、簡単に墓石などが欠けてしまうことがあります。この先ご自身の死後も使用していくものなので注意して取り扱いましょう。
お墓参りでやってはいけないこと
毎年決まった季節や節目にお墓参りをするという方も多いでしょう。実は、お墓参りにも、やってはいけないことがいくつか存在します。ここでは代表的な7つを解説します。
掃除をしないでお参りをする
お墓はほとんどの場合屋外に設置されているため、雨風や埃、排気ガスなどで墓石が汚れてしまいがちです。そのため、先祖や故人が眠るお墓に近況を報告したり、感謝の気持ちを伝えたりする際に、心を込めてきれいにしてあげるのがマナーです。
掃除をする際は、まず辺りに生えてしまっている雑草を抜きます。次に墓石や花立などの金属製品を洗って磨きましょう。掃除の最後に墓石に水をかけて洗い流すことがありますが、お墓の上から水をかけるのは失礼に当たると考える方もいます。どちらも間違いではありませんが、年配の方や親戚と一緒に行く場合、同行する人に合わせておくと良いでしょう。
お酒やジュースを墓石にかける
TVドラマや漫画などの影響で、お酒の好きだった故人の墓石に日本酒やビールの瓶を一本かけるといった行為をする方がいますが、これはやってはいけない行為の一つです。
お酒やジュースを墓石にかけると、お酒の成分や糖分が墓石に浸透し、墓石の鉄分と化学反応が起こすため、シミになって変色したり、カビの原因になったりします。
また、お酒やジュースに含まれている糖分は虫が寄ってくる元となります。宗教上の理由でどうしてもお酒などをかける場合はかけた後に水で洗い流しておきましょう。
お酒やジュースをお供えする場合は、缶のままではなく、湯飲みやおちょこ、コップなどに注いでお供えしましょう。缶の金属がさびて墓石に付着すると錆がとれなくなってしまう危険があるためです。
派手な服装や露出が多い服装をする
法要の時以外のお墓参りでは、服装は自由ですが、あくまで故人を偲ぶ目的であることは忘れないようにしましょう。派手な衣装や露出が多い服装を着たり、強い香水の香りをさせたりしてお墓参りをするのは故人や先祖に対して失礼な行為に当たると考える人もいます。
ショートパンツやタンクトップ、ビーチサンダルなどの露出の多いカジュアルすぎる服装やコスプレのような格好、派手すぎる装いも控え、清潔感のある身なりを心掛けましょう。白や黒、灰色や紺色などモノトーンの服装が良いとされています。また、素足も人や地域によっては気にする方もいます。そのような場合はストッキングや靴下を履いておきましょう。
基本的には自由といっても、地方によっては服装にしきたりがあったり、寺院の決まりがあったりする場合がありますので、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
火を長時間つけたり、タバコをつける
ろうそくの火をつけたままにして帰宅すると、火災の原因となるので忘れずに火を消して帰るようにしましょう。墓石の石は熱に強い材質ですが、急激に冷えると、もろくなって、ひび割れをしやすい性質があります。このため、香炉の中のろうそくが熱を持っているところに降雪などがあって、気温が急に低下したりすると墓石にヒビが入ることもあります。
愛煙家だった故人のために、タバコをお供えすることもありますが、タバコは仏様が嫌う臭いのきついものであり、お供えするのはあまりよろしくありません。他家のお墓に臭いが移る、火災やゴミ問題にもつながる行為であるため、タバコに火をつけることは避けておきましょう。
炎を吹き消す
ろうそくや線香の炎を口で吹き消すことは灰が散らばってしまう、唾が飛ぶこともあるという物理的な意味合い以上に、仏教の教えで禁忌とされているため、できるだけ避けましょう。
仏教の教えでは、ろうそくなどの明かりとお香は基本のお供え物であり、清浄なものとされる一方、人間の口は悪いものを生み出す原因で不浄なものです。人間の口は悪行を積みやすく、口から出た息は仏教では穢れたものと考えられているのです。
このため、故人や先祖を供養するためのろうそくや線香は息で吹き消さずに手であおいで消すか、縦に振って消しましょう。
棘、つるのある花、花粉の多い花、匂いの強い花を供える
仏壇やお墓にお供えする花を仏花といいます。仏花としてふさわしくないとされているのは棘やつるのある花、毒のある花、花粉が多い花です。
棘のある花はお供えする時にけがをする恐れがあり、掃除をするなど手入れをする時に手間がかかります。
つるのある花は「何事にも動じないで自分の拠り所を持つ」という仏教の教えに合わないためです。
花粉が多い花は花粉が墓石に落ちて、お酒の成分や糖類がついた時と同様に花粉と墓石が化学反応を起こし、変色してしまう可能性があります。花粉が多い花をお供えする場合はおしべをぬぐうなどして、花粉を落としてからお供えしましょう。
具体的に良くない花の種類はアザミ、バラなどの棘がある花、彼岸花などの毒がある花、他にも傷みやすい花、花びらが散乱する花はお墓を汚すため、仏花としてお供えしないようにします。
逆に、日持ちがして、枯れても散乱せず、香りが邪気を払うとされる菊の花が仏花として望ましいとされます。春先であれば桜や桃の花、年末年始であれば松などの美しい花をお供えしても良いでしょう。
お供え物を残して帰る
最近では、お供え物を持ち帰るように立札で書かれている墓地が増えています。お供え物を残して帰ると、カラスが荒らしたり、地域によっては狐、鹿、猪などの動物がお墓を荒らしたりする原因になるためです。
瓶の飲み物を放置しておくと、風などで落ちて割れた場合に墓石に傷がついてしまうことがあります。割れた瓶からこぼれたお酒やジュースの中身でシミが付いてしまったり、虫や動物が寄ってきてしまったりすることもあります。
また、お供え物の仏花を置きっぱなしにしておくと、仏花を供える仏具の花立からボウフラが湧いたり、腐食した茎が墓石に付着したりしてしまうこともあります。
食べ物のお供え物は、故人や先祖と分かち合うことで連帯意識を強める意味合いもあるので、自宅に持ち帰って、家族と食べるのが正しい供養の方法です。もしくは、墓地のその場でお供え物を食べてしまうのも一つの方法です。お墓でお供え物を食べることはマナー違反にはあたりません。
その他お墓でやってはいけないこと
お墓を掃除する際、お墓参りをする際以外にも、基本的にお墓でやってはいけない行為を2つご紹介します。
大声で騒ぎ、走り回る
墓地は先祖・個人が眠る神聖な場所です。他のお墓参りをしている方の迷惑になるため、大声で騒いだり、走り回ったりすることは避けましょう。小さい子供にとって墓地は広いため、公園のように見えて、はしゃいでしまう場合もあり、注意が必要です。
他所のお墓をお参りする
お墓が多くある霊園やお寺の場合、他所のお墓に立ち入ったり、お参りをしたりすることは推奨できません。手を掛けたり、ひしゃくや傘を立てかけたりすることもいけません。
子供やペットと一緒にお参りをする際も、他所の墓地に入ったり、粗相をしたりしないようにお参りをすることがマナーです。
また、誰が埋葬されているか分からないお墓に手を合わせることはお墓参りを真剣に行っていない、いい加減な行為と解釈されるのでやめましょう。有名人や偉人のお墓がある場合も手を合わせず、会釈をするだけにしましょう。
迷信とされているお墓でやってはいけないこと
続いて、お墓でやってはいけないと言われているもののうち、迷信とされていることを2つご紹介します。一方で、迷信と言われているとはいえ、中には気にしている地域や人もいることも認識しておきましょう。
午後にお墓参りをする
「午後にお墓参りをしてはいけない」と言われることがありますが、これは悪い霊がとりつく、故人や先祖は午前中にしかいないといったことが理由です。どれも科学的な根拠があるわけではないため、午後にお墓参りをしても全く問題ありません。
ただし、古くからある一般的な墓地や霊園は夜になると暗くなってしまうことが多いです。辺りが暗くなってからのお墓参りは足元が見えづらく、転んで怪我をしてしまう危険があります、日が沈まない、明るいうちにお参りをすると良いでしょう。
1人でお墓参りに行く
1人でお墓参りに行ってはいけないということも良く言われることです。1人でお墓参りをすると霊がとりついてしまうというのがその理由とされています。こちらも科学的な根拠ではないため、心配せずに1人でお墓参りに行きましょう。
昔、お墓は山奥など足場の悪い場所にあり、1人で行く危険性が今より高かったという事情がありました。現代では、都心でも地方でもきちんと安全に舗装された墓地が主になっていて、人目に付きやすい場所に作られています。危険性は低く、1人でお墓参りに行っても全く問題ないでしょう。
まとめ
この記事ではお墓の掃除、お墓参りの際にお墓でやってはいけないことを解説するとともに、迷信についてもご紹介してきました。すでにルールを守っていたという方も多かったかもしれませんが、お墓参りで大事なのは何よりも故人を供養する気持ちです。この記事を参考に墓石を傷つけたり、他の人に迷惑をかけたりしないようにマナーを守ってお墓参りをしましょう。
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