お仏壇の選び方
2017年10月10日
家に仏壇がない場合は「身内に不幸があったとき」に購入するのが一般的です。仏壇は家庭内に設置された「小さなお寺」ともいわれているので、信頼できるものを選びたいものです。
今回は仏壇の種類や、いつ仏壇を購入するのか、良い仏壇を選ぶポイントをお話していきたいと思います。
仏壇の種類にはどんな種類があるのでしょうか?
仏壇は本来大切な本尊を祀る祭壇ですが、一般的には亡くなった家族を祀る祭壇という意識が強いです。亡くなって仏様となった故人を偲ぶことができ、先祖に感謝する気持ちをもつなど大切な役割を持つものです。
仏壇には3つの種類があります。
〇塗り仏壇(金仏壇)
杉や松や檜などに漆を塗り重ね、内部や扉の内側に金箔を張った荘厳な仏壇です。蒔絵や彫刻などの伝統工芸技法が集約されています。漆の塗る回数、金箔の純度や厚み、加工の違いで仏壇の大きさは同じでも、価格に大きな差があります。
関西、東海、北陸、九州地方で多く使われており、浄土真宗の人が多く使っています。
〇唐木仏壇
金箔などを使用しないので、塗り仏壇のような派手さはありませんが、木材の色や木目を生かして作られる仏壇です。材料の木材や彫刻の精巧さで価格が違ってきます。
使用される木材は黒檀と紫檀が代表的です。黒檀、紫檀が通称唐木とされていたことから唐木仏壇という名称になりました。
関東、東北、四国地方を中心に使われており、明治時代に入ってからできた仏壇です。
〇新型仏壇(家具調仏壇)
現代の生活で使っている家具やインテリアに調和したデザインの仏壇です。インテリア仏壇とも呼ばれています。
すっきりしたデザインとスタイリッシュな色調が特徴です。材料の木材は、ナラ、ウォールナット、ニレ、チーク等です。ガラス製や陶器製のものまであります。
仏壇はいつ購入したらいいのでしょうか?
仏壇を新しい仏のために購入する場合は、四十九日の忌明けの法要までに用意するのが好ましいとされています。しかし、仏壇を購入するのにいつという決まりはありません。
亡くなった人がいないのに仏壇を購入すると新仏が出る、うるう年に仏壇を購入すると悪いことが起きるという説がありますが、まったくの迷信に過ぎません。
仏壇というのは先祖の家を新しくするのですから、家の新築と同様にお祝い事になるのです。
良い仏壇の選び方はありますか?
〇仏壇を購入する前にしておくこと
・安置場所や寸法を測る
まず、安置場所を決めることです。仏壇を安置する向きに決まりはありませんが、どうしても気になるのであれば北向きは避けます。直射日光と湿気は仏壇には大敵です。エアコンの風が直接当たらないところが良いでしょう。
また、家族が集まる場所、落ち着いて礼拝できる場所が適しているので、座敷や居間などがいいでしょう。
次に、安置場所の寸法を測っておくことです。仏壇は観音開きで両側に扉が開きますので、そのスペースも考慮しておきましょう。
また、本尊の高さも気を付けたいです。座って礼拝する場合は本尊が目線の高さより上にくるように、立って礼拝する場合は本尊が胸の高さより上になるようにします。
・予算を決める
およその予算を検討しておきます。仏壇を購入すれば仏具も必要です。基本的には仏壇の価格に仏具は含まれていません。費用のバランスは仏壇7、仏具3と考えるのが良いでしょう。
・宗派を確認する
自分の家の宗派によって本尊、脇仏、仏具が違ってきます。信頼のおける仏具店でも相談できますが、菩提寺に確認をするのがいちばん確実です。
〇信頼できる仏壇店を見つける
仏壇は長く使っていくものなので、修理が必要になることも考えてアフターケアをしっかりとしてくれる店を選ぶことが大切です。
店員に仏壇や仏具に関して詳しい知識があるか、仏事コーディネーターのいる店も増えているので参考にすると良いです。
地域で長年営業して評判の良い店かも確認しましょう。地域の寺院についてもよく知っている店ならば信頼できます。
店にある仏壇がきちんと手入れされて掃除が行き届いているかも確認しましょう。仏壇や仏具を丁寧に扱っているかどうかが分かります。
店の雰囲気や店員の人柄を感じることも大切なので、実際に何軒か足を運んで確かめることが大切です。
仏壇購入後は開眼(かいげん)法要を営みます
お墓と同様に仏壇も新しく購入したときは、菩提寺に依頼して開眼法要を行います。仏壇に祀る本尊や位牌に魂を入れてもらう大切な儀式です。
まとめ
仏壇には種類があることがわかり、仏壇を購入する日については特に決まりはないことが分かりました。仏壇を購入する時は、長く使うものなので、色々なことを検討し、信頼のできる仏壇店でよい仏壇を選びたいものです。