戒名の相場とはいくらなのか?必ず必要なのか?
2017年11月28日
お墓を建てるときは、墓石に戒名を刻むのが一般的です。亡くなった後は名前が変わるということは知っていますが、そもそも戒名とは何でしょうか?今回は戒名についてお話していきたいと思います。
戒名って何でしょうか?
一般的に戒名は死者に贈られる名という認識ですが、本来は生前に授けられるものでした。仏教の戒律(仏様が説かれた教え)を守ることを誓った者に与えられる名前でした。
後世になると、死者の葬儀を行う際に僧侶がつける安名(あんみょう)が死後の名前という認識になりました。これは生前に仏教に入信していない人も、死後は仏教帰依者として扱い仏門に属するものと同じように葬儀を行ったことからきています。
誰でも受戒の儀に参加して戒を受けることで仏法に帰依した者として戒名が与えられるようになりました。
戒名の呼び名は各宗派により異なります。宗派によりつけ方にも違いがあります。
戒名が亡くなった後の名前に対して、生前の姓名を「俗名(ぞくみょう)」といいます。
戒名の相場はどれくらいするんでしょうか?
戒名は所属する宗派の僧侶につけてもらいます。戒名をお願いする時は、お布施という形でお金を納めます。
東京都生活文化局の「葬儀にかかわる費用等調査報告書」(平成14年3月)によると、平成13年の戒名料の平均は38万1700円となっています。しかし、お布施の金額に決まりはなく、「お気持ちで結構」といわれる場合が多いようです。
お布施を納めるのが経済的に難しい場合は、直接お寺に相談すればこの限りではありません。
お布施の金額については菩提寺や葬儀社に尋ねてみることも大切です。
戒名は絶対につけなければならないのですか?
お墓を建てる時には、戒名を刻むのが一般的です。しかし、戒名は必ずつけなければならないということはありません。最近は、生前の姓名の俗名で葬儀を行うケースも増えています。
公営霊園(公営墓地)や民営霊園(民営墓地)は、戒名が無くてもお墓は建てることができます。
寺院墓地の場合はお寺の檀家であるので、お寺の住職に戒名をつけてもらいます。
墓石には戒名を刻まないといけないのですか?
墓石の正面に刻む文字は、特別な決まりはないので自由です。一般的な家墓には「〇〇家」「〇〇家之墓」という家名が刻まれたものが多いです。
その人ひとりの墓石や、夫婦1組だけの墓石では、個人の戒名や俗名が刻まれたものが多いです。夫婦ふたりの名を刻む時は、通常右に夫の名、左に妻の名を刻みます。
墓石の形がさまざまになってきたように、墓石に刻む文字も「心」「愛」「やすらぎ」「敬愛」の言葉を刻んだものや、詩や俳句、文章の一節を刻んだものもあります。
墓石に刻む文字の書体も特に決まりはありません。自分で書いた文字や、書家に書いてもらった文字を刻むことができます。ただし、既成の文字を刻むより多少費用がかかります。
文字以外にも花の模様を彫っていれたり故人の顔を写真から起こして刻むこともあります。
しかし、宗教的に向かない文字があるなど自由に文字を刻むことができない墓地もあるので、特に寺院墓地では確認することが必要です。
また、文字などを墓石にいったん刻んでしまうと、直すことはほとんど不可能になります。石材店とのやりとりの中で、文字や書体に間違いがないか確認する必要があります。
墓石に刻む戒名を原稿に書く時は、必ず位牌と照合して確認したら確実です。複数人で確認する方法もお勧めです。
まとめ
戒名は必ずつけなければならないものではありませんが、檀家であれば必要になります。戒名をつけてもらうにはお布施という形で納めるので、金額が分かりにくいところです。
まずは身近な人たちに相場を聞くのも一つの方法ではあります。墓石に刻む文字も自由になってきました。しかし、これから承継していく人や、お参りに来てくれる親類のことも考えて刻む文字は考えた方がいいでしょう。